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事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

突然の配達の仕事

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手積み、手下ろしのハードな仕事から、一部はパレット下ろしになったのですが、そんなことはあまり関係なしに、順調に仕事をこなしていました。

一日一便が基本パターンだったのですが、時々「配達」の仕事もありました。

配達と聞けば一般家庭にでも品物を届けるようですが、大型トラックで別の会社や倉庫に商品を運搬するということです。

普通なら荷物を下ろせば元の道を戻り、明日の荷物を積み込んで終了となります。

でも、配達があれば、それが終わってから帰ることになりますので、かなり時間が遅くなってしまいます。

配達があろうがなかろうが、もらえるお金は一緒でしたので、できれば行きたくないというのが正直なところですね。

でも、与えられた仕事をこなすのは当然ですし、使ってもらっている会社のためにも頑張っていました。

いつもと違う会社や倉庫に行くのは、知らない道を走る必要がありますし、勝手も違ってきますので、かなり気を遣うことになります。

でも、何も考えずに同じパターンを繰り返すよりも、いろんな体験ができたと思います。

専務から聞いた話ですが、専務と社員が同時に荷物を下ろし終えて帰ろうとしたところ、一台分の配達の仕事があったということです。

「やっと下ろし終わったし、さて帰ろうか!」というところに、「これから荷物を積み込んで、配達に行ってくれるか?」と言われたら「ゲゲッ・・・」と思ってしまいます。

専務としては、社員が「自分が行きます!」と言うことを期待していたのですが、社員が何も言わなかったため、「私が行きましょう!」と言ったところ、社員はニターッとした笑顔を見せたということです。

「専務が行ってくれてラッキー!俺は帰れるぞ!」という気持ちが表情に出たということですね。

それを見て、専務がため息をついたのは言うまでもありません。

そして、専務が配達を終えて会社に電話すると、その社員が出たということです。

その社員は、普段通りの声を出して平静を装っていたらしいですが、専務にはお見通しだったということです。

事務所で居眠りをしていたのですね・・・。

配達の場所を聞いた社員は、何時頃に専務が帰ってくるのかがわかりますので、それまでは羽根を伸ばすことができます。

専務はそれもわかっていましたので、電話したら「やっぱり・・・」という結果だったのです。

この社員は、その後も全く成長することなく、目の前の仕事だけをこなしていき、だんだんと会社に居場所がなくなって、最後には自分で辞めていきました。

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