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事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

運送会社の立場

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運送会社といえば、物を運ぶのが仕事というイメージがあると思いますが、荷物を運んで「はい終わり!」ではありません。

荷物を積み込んで、所定の場所に下ろすのも仕事なのです。

厳密に言えば、積み込みをするのはともかく、所定の場所に所定の方法で下ろすのは運送会社の仕事ではありませんが、多くの運送会社では、そうした仕事が増えています。

私がトラックに乗っていた時代よりも、今はそうした仕事が増えているようです。

運送会社は世の中にたくさんありますので、競争も激しくなっています。

また、荷物を運ぶだけですので、運送会社によってそれほど差はありません。

物作りであれば会社によって差はありますが、運送会社は、そういった差はありません。

ドライバーの応対や、積み卸しのスピードやていねいさの差はありますが、荷物を運ぶことに関しては差がありませんし、それ以外の差はそれほど重要ではありません。

そうなると、何かで差を付けなければ、仕事がもらえないことになります。

誰でもすぐに思い付くのは値下げですね。

他社より値段を下げれば物が売れるのと同じで、運賃を下げれば下げるほど仕事が取りやすくなります。

言うまでもありませんが、値下げで仕事を取り続けていれば、利益が少なくなりますので、経営状態は苦しくなってしまいます。

もうひとつはサービスですね。

積み込みはいいとしても、荷下ろしでサービスを付け加えることによって、仕事が取りやすくなります。

・所定の場所に下ろして完了です

・倉庫の棚に指定された通り荷物を入れていきます!

同じような会社で、同じような運賃であれば、後者の方に依頼するでしょう。

運送会社はそうした営業で仕事を取っていったこともあり、荷主もそれが当たり前になってしまいました。

荷物を細かく仕分けして所定の位置に置いたり、リフトに乗って所定の場所に荷物を下ろして、伝票処理をすることも当たり前になっているのです。

これらは、明らかに別の仕事と言えるのですが、荷主はそれをやってもらえるのが当たり前と思っていますし、運送会社も「それはちょっと・・・」と思っていても、口に出せない状態になっているのです。

運送会社の立場は、かなり低いということですね・・・

今は、昔と違って運賃の値下げが続いていますし、余計な仕事も増え続けています。

さらに、排ガス規制でやりたくてもできない仕事がありますし、トラックの買い換えを余儀なくされるケースもあるのです。
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