オルタナティブ・ブログ > 事業のヒント >

事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

「疲れた」と言っていると

»
その運送会社の専務からはいろんな話を聞いたのですが、特筆すべきは過去の実績です。

二十歳でドライバーとして入社して、23歳の時に営業所の所長に抜擢されたということです。

小さな運送会社ですが、それでも何十人も従業員がいますので、その年齢とスピードで所長になるのは、並大抵のことではありません。

そうなるきっかけの話が、私に大きなインパクトを与えてくれました。

運送会社には「手配」と呼ばれる仕事があります。
その名の通り、誰がどのトラックに乗って、どんな仕事をするのかを決める人です。

経験が物を言うため、ドライバーとしての経験があり、運送業界でも長い経験を持っている人がなることが多いですね。

その手配の人は、いろんな条件を考えて仕事を割り振ります。

ある日、手配の人があれこれ悩んでいました。

何を悩んでいるか聞くと、「あの人はしんどいと言っているし、この人は大変だと言っているし、その人は疲れたと言っているし・・・」と、運転手の状況を考えて悩んでいたのです。

その話を聞いて、「あら?全然そんなことないのに??」と思ったということです。

つまり、しんどいと言っている人も、大変だと言っている人も、全くそんなことを思っていなかったからです。

でも、なぜか手配の人は、そんな風に思っていたのです。

それは、「口癖」にありました。

「あー、毎日しんどいなあ・・・」、「あー、今日も大変だった!」と口癖のように言っていたのです。

その極め付けは、「疲れた・・・」です。

「疲れた、ああ疲れた・・・」と言っていると、「あの人は疲れているからなあ」と思われて、重要な仕事を任せてもらえないのです!

本人は決して疲れているわけではないのですが、何気なく言っている一言が、大きなマイナスになっていたのです。

重要な仕事を任せてもらえないということは、それだけ信用されないということです。

それに気がついた専務は、「今日から絶対に何があっても疲れたとは言わんぞ!」と手帳に大きく書いて、実行したということです。

ハードな運行で疲れていても、決して口に出すことなく、「全然余裕ですよ!」という表情をしていたのです。

そして、「あいつはタフだし、仕事はきっちりしてくるし、いくら任せても安心だな!」となったということです。

その会社はドライバーの売り上げで順位付けをしていたらしいですが、それからずっとトップだったということです。

「疲れた・・・」と口癖のように言う人は、周囲にも多いと思いますが、聞いている方は良い気持ちがしませんし、大きなマイナスになっているということですね。

Comment(2)