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クラウド戦役をZガンダム視点でわかりやすく解説するブログ+時々書評。

鳩山首相辞任で身につまされる対外、対競合的視点の欠如

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今回は直接的にAzureの話というわけではないが、たまにはブログ風に直近気になることを。
鳩山首相にも、民主党にも別に思い入れはないのだけど、早すぎないか?と。

正直私は政治に興味があるわけでも詳しいわけでもないので今後どうする?誰が次やる?と
いった論点はどうでもいいのだが、このニュースを海外の人々がどう受け止めるのか、
という点には興味がある。事情はどうあれ、鳴り物入りで政権交代したはずなのに、トップが
コロコロ変わる国を信用して投資してくれといったところで説得力に欠けるのではなかろうか。
株価、為替といった指標にあらわれる投資意欲への影響が心配だ。

日本が浮き足立つ中、U.S.やEUはともかく、中国は、韓国は、台湾は、シンガポールは、
グローバル市場における足場をさらに強固なものにしつつある。市場としての魅力度が
下がる一方の島国の中で小競り合いをしている場合ではないと思うのだが。競合の台頭を
軽視していると将来払う対価は膨らむ一方だ。事実、パブリッククラウド陣営はいずれも
第一段階での日本へのデータセンター誘致に成功していない。全世界ですでに200万台を
売ったというiPadの部品調達でもほぼ完敗。コスト、税制、購買力、その他多面的にみて
アジア圏の競合各国に負けている分野が多いと気づかされることが最近よくある。

競合の視点。

ちょうど今、来期(マイクロソフトは6末締めなので7月以降が翌会計期となる)のプランに
ついての議論を社内のいたるところでしているのだが、まだ完全にMS文化に染まっていない
身としてはちょっと違和感を感じることが少なくない。それは、競合が何をしているか、
どうしようとしているのか?という視点の欠如である。

それはよくないから競合の視点を加えてプランを精緻化しよう!と指摘しただけでどうにか
なるほど単純な話ではない。これまでの経緯を考えれば、社外からも容易に想像つく
構造的な問題で、クライアントOS市場で圧倒的なシェアをもち、競合の動きを注視して
対応することより自社の施策で市場全体を動かすことに傾倒してきた企業文化が
根っこにあるため、おいそれと成功体験や宗教を変えられない人がいることも事実。

とはいえ、Azureが戦うパブリッククラウドは、マイクロソフトが制空権をとっているわけでも、
ブルーオーシャンでもなく強力な競合入り乱れの戦乱模様。ここで戦うためには社内啓蒙に
励みつつも、競合をもろに意識してある程度独自の動きをしてゆくことも必要だ。

エンタープライズ向けのPaaSとしてのポジショニングは、今のところAzureが握れているが、
ぼやぼやしていると、SalesforceやGoogleがVMwareと組んで攻勢をかけてくるし、
Amazonも単なるEC2とS3からメニューを増やしてPaaS化しつつある。この現状を社内に
正しく伝えてゆくことも我々の仕事ではあるのだが、どうにも社内啓蒙が苦手な私。

対使徒殲滅戦を想定したエヴァンゲリオンを多数配備したネルフ本部が、味方と思って
いた人類との戦闘を想定した対人兵器をもたなかったが故に、戦略自衛隊に容易に
占拠されてしまったかのごとく、私以外のエバンジェリストも対ノンテク戦、対社内戦が
得意ではない(萌えない)というメンバーは少なくない。

強力なATフィールドを持つ人々を相手に、「これじゃ勝てないなー」と悩んでいた私に
天使、いや、真希波・マリ・イラストリアスのささやきが…。
「そうか!脳みそを戦略コンサルタントモードに切り替えて、マイクロソフト様をクライアントと
して日本のクラウド市場への参入戦略策定を作るだけの簡単なお仕事♪と思えばいいのか」
と。これならできそうだ。モチベーションも上がってくる。
「モード反転、裏モード、戦略コンサル!」

というわけで、ここ数日Azureを、クラウドを、世に広めるための作戦、戦術、戦略を本気で
突き詰める作業に入っている。私に貴重な経験をさせてくれたローランド・ベルガーに感謝。

今のマイクロソフトが恵まれているのは、競合を意識した考え方や合意形成が難しい一方で、
お客様の視点が徐々に定着しつつあること。近年エンタープライズ向けのパートナリングや
営業に注力してきたことで、エンタープライズビジネスの流儀は根付きつつあるように見える。
正直まだまだなところもあるのだが、お客様が何を望んでいるか、耳を傾けるようになり、
対話できるようになってきたことは、強みとして活かしてゆきたい。

加えて、今のクラウド市場が恵まれているのは、競合を意識するからと行って、互いに
不毛なつぶし合いをする必要がない点だ。市場全体が拡大基調にありながら、まだ本格的な
キャズムを超えるに至っていない現状、パブリッククラウドの利用を促進して市場を広げる
ことがAmazon、Google、Salesforce、マイクロソフトに共通する課題だ。意図的に連携する
必要はないが、それぞれの領域での活動がパラレルに展開してゆくことになるだろう。

やはり、お互いのキャラ分け、棲み分け、ポジション取りをどうしてゆくのかが
解くべき論点の中心か。

ブログを書きながら、頭の中がだいぶ整理できてきたぞ、と。
最前線で戦っているからこそ得られる現場力を武器に、U.C.0083における星の屑作戦ばりに
敵の意表をつきまくるイカした戦略を目指してがんばろう。

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