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祝!サービス開始。富士ソフトのAzure事例「みんなの会社情報」がスゴいところ

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昨日の発表以来多くのメディアで取り上げられている「みんなの会社情報」というサイト。
Yahoo!ファイナンスのように、投資家に向けて企業情報を提供するサービスであるのだが、
ここでは、Windows Azure事例としての視点でこのサービスを紹介させていただきたい。

主な掲載記事は下記のとおり。

CloudWatch富士ソフト、上場企業の会社情報を提供するWebサイト「みんかい」をAzureベースで構築 

CNETJapan富士ソフト、Windows Azureベースの会社情報提供サービスを開設

ITMediaWindows Azure利用の企業情報サービス、MSと富士ソフトが提供 

インターネットコム:富士ソフト、Azure で会社情報サービスサイトを開始 

RBB Today富士ソフト、Windows Azure Platformを活用した会社情報提供サービス「みんなの会社情報」を開始
日経産業新聞 6月30日付4面 :富士ソフト、会社情報・株価サイト、MSのクラウド活用。

さて、http://www.ir-service.net/ というサイトにアクセスしていただくと、データ読み込み
画面が数秒表示された後、下記のような画面があらわれるはずである。利用者はすべて
無償のサービスで、ブラウザとSilverlightプラグインさえあれば誰でも使えるので、
是非実際に使ってみていただきたい(自社の情報を検索するなど)。

 

Irservice01
フロントはすべてSilverlight製。バナー的扱いの飛行船や、建設中の某電波塔のように
見えなくもないモニュメントから動画配信している市況番組(独自制作→Expression Encoder)
や揺れるバルーンクリックから開くランキング画面なんかも遊び心がある。

Irservice04 Irservice05

投資家向け株式情報提供だけでなく、例えば就職活動中の学生さん向けの企業情報提供
なども想定しているらしい。ちょっと「ゆるふわ」なサービスコンセプト。

最近Silverlightを採用した金融情報系やら業務アプリケーションの事例が増えてきているが、
その際に多くコメントされるのが「ユーザーはもちろんのこと開発者に優しい」というくだり。
サービスの利用者から見ればFlashもSilverlightもかわらないが(とかいうと社内含め
多方面から怒られそうだが…)、作る側の環境や労力はだいぶ違う。

Irservice03_2 Irservice02_2

上の図は株式情報サービスによくありがちな株価の日足グラフや1株あたり利益のグラフで、
日足のグラフでは、マウス操作で範囲を絞るとその時間帯が拡大されるなどの気の利いた
機能もついている。この手のロジックを含む画面をデザイナーさんと役割分担しながら
ゴリゴリAction Scriptで書けばFlashでもできるだろうが、これまでWindows用のクライアント
アプリ開発の経験豊富な開発者であればサクッとできてしまうのがSilverlightのよいところ。
.NET開発者を多く抱える富士ソフトさんにとってはなおさら好条件。

さらに、「みんなの会社情報」はバックエンドにWindows Azureをご採用いただいている。
Azureの開発テンプレートにはSilverlightのバックエンドサービスで利用することの多い
WCFも含まれているため、VisualStudio2010でフロントからバックまで包括的に管理できる。

今回Azureを採用していただいた理由は、サービス全体の開発生産性だけでなはない
(と聞いている)。この手のユーザー向けクラウドサービスの提供価値で大事なことは
おそらくユーザーエクスペリエンス(誰でも使える使いやすさ)とコンテンツかと。

ユーザーエクスペリエンスについてはSilverlightをベースに開発、改善してゆくことで
よりよいものに仕上げてゆくことができるわけだが、コンテンツは別の議論が必要だ。

コンテンツで重要な要素としてはボリューム(網羅性、深さ)と鮮度があろうかと。
そのためには、上場企業すべてから大量に送られてくる情報をため込んでいく必要が
あるのだが、スケーラブルなストレージサービスを持つAzureなら安心かつ安価。

Irservice06

ビジネス面を見ても、Azureなら原価として必要なのは使った分払いでチャージされる
従量課金制の仮想マシンとストレージだけ。最初から大規模なストレージやサーバーを
用意することなく気軽に始められるのは利点と言えるだろう。ニュースリリースだろうが
適時開示情報だろうが、PR向けの動画コンテンツだろうが、入れたいだけ入れられる。

このようなサービスは今後増えてくると思われるが、我先にドライブしていただいている
東証コンピュータシステムさんには頭が下がる。AzureやSilverlightを軽やかに使いこなす
技術力と新しいサービスを企画して実際につくってゆける行動力は、今後のクラウド時代に
開発会社や情報システム部門、子会社に求められる要素だと思う。グループ会社の利点を
活かした加工可能な独自の(あるいは利用しやすい)情報ソースがあればなおのこと。

なにはともあれ、ユーザーとしてまずは「みんなの会社情報」を使ってみていただきたい。
クラウドサービスは自分で体感し、どういう背景で構築に踏み切ったのか妄想を膨らませ
ないことには創り出せないと思う。

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