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クラウド戦役をZガンダム視点でわかりやすく解説するブログ+時々書評。

エバンジェリストって何するの?ATフィールドを中和するだけの簡単なお仕事です

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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』プロモーションの一環で現在夜中にNTV系列で
TV版の再放送が行われており、夜更かししているとつい見入ってしまうため、
寝不足に注意したいところである。というわけで、今回は勝手ながらメタファの対象を
ガンダムからエヴァに変更させていただきたい。

さて、エバンジェリストという肩書きで仕事をするようになってまだ半年ちょっとだが、
「で、どんな仕事なの?」営業支援?SE?エンジニア?製品マーケ?要するに何?
と聞かれることが多いので、ここで説明しておきたい。簡単かどうかは主観的な
判断だが、A.T.フィールドを中和する仕事という表現はまさに言い得て妙である。

ガンダムとエヴァでどちらが理解してもらえる人口が多いのかはわからないが、
念のためATフィールドについて解説しておく。

A.T.フィールド(ABSOLUTE TERROR FIELD)は、襲来する使徒やエヴァンゲリオン各機が
発生させる目に見えないバリアーで、通常兵器では全くダメージを与えることできない。
使徒と同じくA.T.フィールドを展開するエヴァンゲリオンは、相手のA.T.フィールドに
触れることで中和したり、強引にこじ開けることができる。

一見、戦闘に用いられる武器としての意味合いしかないように見えるのだが、
精神世界を描く庵野監督は、「A.T.フィールドは心の壁のようなもの」と語っている。
今回の新劇場版が何オチになるのかはわからないが、TV版では主人公の碇シンジ14歳が
心の壁を解放することで、自分がここにいてもよい理由を見つけ出し、世の中と
対話できるようになるまでの葛藤を、使徒との戦いをモチーフに描いているともいえる。

このA.T.フィールド、内気なシンジ君に限らず考えてみれば誰にでもあるものと考えられる。
例えば、新しいことに思い切って飛び込むときの参入障壁のようなものだ。技術の進歩が激しく、
日々新しいことが起こり、期待や不安に振り回されるエンジニアやビジネスパーソンにとって、
絶対的な安全領域ともいえる、A.T.フィールドを展開したい瞬間というのは多々あるのでは
ないだろうか。正直なところ私自身もたまに自覚することがある。

そのような方々の可能性を解き放つために、マイクロソフトが送り込む決戦兵器が
エヴァンゲリオンならぬエバンジェリストなのである。

技術イデオロギーやビジネス的に敵対の構図が避けられない場合には、ヤシマ作戦
のように日本中の電力を収束させて陽電子砲による射程外からの超長距離射撃を行う
などの強引な策を講ずることもあるが、基本の戦術は接近戦可能な距離まで近づき、
A.T.フィールドを中和しながら突破し、相手の懐に飛び込んでゆくのである。

より具体的に言うと、MSDNに集っていただいている方々に.NETの最新技術を伝えることで、
VB6からWPFやAzureに興味をもっていただいたり、JavaやPHP、Adobe、Linuxなどの
非マイクロソフト陣営の開発コミュニティや勉強会に参加することで、マイクロソフトとの
距離感を縮めてもらうための努力を日々おこなっているのである。

その活動内容は、EvangelismとAdoptionの2つに大きく分類できる。Evangelismというのは、
マイクロソフトの最新技術を研究しつつ、その成果をもとにReMIXTechEdなどの
イベント・セミナーで講演を行ったり、書籍や技術ホワイトペーパーを書いたり、
まさに伝道師として技術情報を広めながら、ファンを作っていくタスク群である。

もう一方のAdoptionというのは、ともすれば営業技術支援に見えてしまわなくもないが、
多少のリスクを承知の上、最新技術に取り組んで自社の競争優位を高めたいという
志の高いお客様に対し、さまざまな形での技術・ビジネス面での支援を行うことで、
成功事例をともに創り上げてゆく仕事である。これがなければ、Evangelism活動で
話している内容が机上の空論と思われてしまうこともあり、具体的な事例やTipsを
愚直に蓄積してゆくことは欠かせない要素である。

注意して頂きたいのは、我々が敵対しているのはOracleやIBMなどのいわゆる競合各社
というよりも、個人や組織が誰でも感じる新しいモノに対する抵抗や先入観であり、
それを打破するための中和剤は、マイクロソフト技術を中心としながらも、それだけに
固執しない広い見識に基づいた最新技術情報や、それらへの興味なのである。

もちろん、日本だけでも数十名いるエバンジェリストそれぞれに得意分野やスタイルがあり、
現場での戦い方は千差万別ではあるが、A.T.フィールドを中和するという点は共通だ。

今日の内容がさっぱりわからなかった、今更全26話を寝不足になりながら見るのもつらい
という方は、明日金曜日21時より『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』がNTV系列で地上波
初放送となるそうなのでこちらをご覧いただければ、A.T.フィールドを中和する仕事、
すなわちエバンジェリストが何者か?がもう少し鮮明に理解頂けるのではなかろうか。

今回の新劇場版から2015年という設定が削除されている。世界大戦はないにこしたことは
ないが、あと6年で第三新東京市ジオフロントができるのはやや無理があるという判断か。
その一方でMAGI相当に発展できるかもしれないクラウドコンピューティングの技術革新や
インフラ建設は進んでいる。自称赤木リツコ母子のような天才が現れて、科学の進歩で
コンピュータサイエンスまわりの諸々の問題を解決してくれることを期待したい。

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