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良いIT戦略、悪いIT戦略

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IT戦略の重要性を何度か書いてみましたが、それでは、良い戦略とはいったいなんでしょうか。戦略は単なるスローガンではないですし、個々の戦術でもありません。一貫した行動規範となる方向性です。

強いて言えば、企業が最も差別化出来る部分に最も力を集中するための、一連の行動指針が企業戦略です。例えると、得意な英語と国語で私立文系に絞って勉強したほうが、全教科を勉強して国立を狙うよりも、合格確度が高まります。

逆に自社の弱みを強化しようとする活動は、あまり戦略的とは言えません。自社のSWAT分析を行い、Weaknessをリストアップして、その改善活動に力をいれても、具体的な成果を出すにはおそらく時間がかかりすぎます。まずは自社の強みをきちんと分析して、フォーカスを見つけ出すべきです。

もうひとつ重要な事は、短期で結果を出す事で事です。戦略とは短期間で結果を出せるものでなくてならないと思います。社会情勢はリアルタイムで変化していきます。5年、10年同じポリシーを維持する事は生産的ではありません。

さて、ITの戦略に関して考えると、求められる事は、自社の事業の強み、つまり企業戦略へのIT投資の連携です。そして短期で結果が得られるIT投資です。

例えば、自社の強みはリピーター顧客からの売上であれば、CRMと物流の連携にフォーカスして、既存顧客のリピートをさらに増加させるべきでしょう。間接販売での顧客プルのビジネスが企業の強みであるならば、パートナー企業とのCRMの連携や生産管理システムとの連携が、在庫の削減と納期の短縮を実現するでしょう。また、製品力が自社の強みであるならば、その製品力をさらに幅広く認知させるための、Webであったり、無料体験キャンペーンとフォローアップを効率的に実施出来るシステムに、フォーカスすべきかもしれません。企業の戦略とITの戦略は常に同じであるべきです。

決してやっては行けないことは、自社の弱みの改善活動です、例えば他社の事例をみて、他社がBYODに力をいれているから、うちもBYODをなんとかしなければといった、IT投資です。このような投資は多くの場合、投資対効果が不明確になりがちです。IT戦略は流行から来るものではありません。自社のビジネスの強みからくるものです。

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