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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

IT系セミナー・タイトルの流行を考える

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立場上あちこちでセミナー講師を務めることが多いのだけれど、昨今のはセミナーのタイトルのどこかにきっと「コスト削減」というキーワードが入っている。時勢というやつで世間の関心事がそこにあると思えばそうなってしまうのも仕方が無い。でもITに関する何がしかの投資って、必ずどこかでコスト削減に結びつくわけだから、「何の」という注釈を付けておかないと、どんな内容であれコスト削減を主張することは可能である。景気の良い時分だって、どこかでは必ずコスト削減という要素を考慮していたはずだ。要するに「ITコスト削減のためのセミナー」みたいなタイトルが、実は趣旨不明の、ある意味では何とでもとれるものだということになる。時流に乗っているようで、実は何も考えていなくても付けられるタイトルなのかもしれない。なんて偉そうなことを言って、真面目にタイトルを考えた皆さん、ごめんなさい。

これがちょっと前はどこもかしこもIT全般統制ネタであった。2008年4月1日からJSOX法なる「何それ?」的な法律が施行されるとあって、Webサイトが賑わっていただけでなく、各種セミナーにおいてもどこかではJSOXだとかIT統制だとかという言葉が踊っていた。ただ単なるIT関係者としては、「どうすればJSOX法に準拠したと言えるのか?」という質問を受けるのは結構つらい。法律関係者ではないこともあって大した答えをもっていないのである。新法に準拠できるようにするために、どういったテクノロジーに目を向けるべきかといった問いには答えるように努めていたが、そこまでを限界として施行初年度を終えたのである。初年度を終えたらネタとしてはもう終わりかと思っていたら、どうも必ずしもそうではないかもしれないことを示唆する文書をインターネット上で見つけた。日本監査役協会なる団体が発行した、「第3回 財務報告に係る内部統制報告制度に関するインターネット・アンケート」集計結果[速報]」である。ここで重要な欠陥には至らなかった内部統制不備の内容として、36%近くもの回答において「IT統制等」とある。僕はセミナー主催者になることはまずないのだが、リバイバルのように古いネタを掘り起こすのもアリなのかもしれない。

で、今後は何が流行っていくのだろう。少なくとも僕が関与する限りにおいては、他のサーバーから移行してきたらどんなにコスト削減が見込めるだろうか、という主張を展開するセミナーは比較的多いようだ。移行元は汎用機からPCサーバーまでケースバイケース、移行先は僕が担当しているかつてのAS/400、今はIBM iというOSを搭載するパワーシステムである。PCサーバーを置き換えてコスト削減だなんて荒唐無稽にも程がある、という感触を持たれるかもしれないが、たまにはこういうワイルドな発想も良いんじゃないかな。失うものはないのだからやってみよう、というノリもたまには悪くない。

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