オープンソース製品に手を出してみた
ワープロとか表計算のソフトというと、最も一般的に使われるのはマイクロソフト社のオフィス製品だろう。他人とファイル交換することを考えると、どうしても汎用性を考えなければならない。いきおい何の疑問もなく皆が使ういつものやつを使うことになる。でも最近はODF(Open Document Format)と呼ばれるフォーマットに準拠した製品が登場し始めている。Wikipediaによると、ODFは国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)によって規定されたフォーマットなのだそうだ。
そんなオフィス製品の一つである、Lotus Symphonyを自分のPCに導入してみた。海外から送付されたファイルにODFのものがあったので、面倒だけれども内容を見るために仕方がなかった、というのがそもそものきっかけである。そしていくつかあるODF対応製品の中で、IBMが手がけていたのがSymphonyだったというわけだ。社内で利用を推奨する人もいたことだし、PCのディスク・スペースに余裕もあったし、とりあえずはファイルを1つ見るのが目的だから試してみよう。
一般的には無料でダウンロードできるサイトを使うのがよいだろう。今日現在(平成20年12月8日)の最新版としてバージョン1.2が入手可能である。タダほど高いものはない、とよく言われるが、無料で手に入れられる製品だからと言って、使い物にならないとは限らない。個人的にはブラウザのFirefoxとか、メールソフトのThunderbirdは、安定しているし使い勝手も良いので愛用している。もっと他に良いのがあるという意見もあるかもしれないが、僕はあまりツールに対するこだわりはない。
Symphonyの導入は至って簡単である。モジュールをダウンロードした後はあっけなく終わる。うたい文句的にはオフィス製品との互換性があることにはなっているが、自作のパワーポイントをSymphonyから開こうとすると、「正しく保存されない可能性のある機能と書式設定が含まれています」といった警告が出る。100%互換を保証しているわけではないのだから、こんなものだろう。構わず進むと間もなく最初のページが無事に表示されたが、全ページのサムネール表示までの時間が長めである。テキストボックスの大きさにテキストがうまく収まらない箇所が何箇所かあったが、これは適当に調整すれば済む。他に互換性の問題点は見つからなかった。ただ、アニメーションを使う場合、例えばスライドインという、文字やイメージを滑り込ませる動きをさせようとすると、がくがくとした感じになるのは少々気になった。
PPTのままだと遅いのであれば、ODFに変換すれば改善するかもしれない、と思って試してみたがややマシになった程度で、あまり違いはなかった。PCの能力が足りないのかな。代わりにファイルサイズが元の17MBから37MBに増えてしまった。実用となると、個人的にはもう少し製品としてこなれて欲しいところである。試してみた範囲では、通り一遍の機能しか使わない僕にとって、機能不足を感じることはほとんどない。無料というのは魅力的だし慣れは必要だが、将来性を見込んでこの手の製品を使い込んでおくのも悪くなさそうだ。