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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

一人残されたオフィスにて

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オフィスで周囲を見渡すと誰もいない、なんていう状況になったりすることがある。今日中に片付けたい仕事と格闘していて、ゴールも近くなってふと我に返って気が付くというわけだ。フロアで蛍光灯が点灯しているのは僕の頭上周辺だけで、部屋の遠くの隅の方は暗がりである。アメリカが始動する前に、いや始動して間もなく、できれば午前中には交渉のためのメールを打っておきたい。終電車には何とか間に合いそうだし、PCを持ち帰って家で続きをやらなくても良いのはありがたい。

同じ部門の同僚も、今日中にはという思いで仕事をしている場合がある。深夜近くにもかかわらず、メールのコピーが入ってくる。子供の夕食を作る家庭の主婦だったり、家の用事を手伝うために早く帰った父親だったりする。中にはお客様訪問のために午後の早い時間にオフィスを出て、そのまま直帰する場合もある。仕事柄常時オフィスに張り付いているわけでも、ずうっとどこかに行きっぱなしというわけでもない。

いつでもどこでもPCさえあれば仕事ができるし、それは平日に限らず、祝日・週末、さらには休暇を取って休んでいるはずの日でも変わることはない。便利なんだか、かえってつらいんだか、どちらかというと後者の見方の方が多数派かもしれない。できることが同じならば、家でやるかオフィスでやるかの違いでしかないのだけれど、僕はどちらかというとオフィスでやる方を選んでいる。

家ではどうも仕事の気分が乗らない。狭いマンションの隅っこでいかに仕事に没頭しようとしても、生活音はいやでも耳に入るし、娘が寄って来ても無視し続けるほどには集中できそうにない。まあ、寄ってきてもらえるだけマシだとも言える。きっとありがたいことに飲み物が出てくるだろうし、後で文句を言われるのもいやなので、その時はそれなりの感謝の意を表しておかなければいけない。また、仕事用のスペースなんて特に確保しているわけではないので、家ではどうも狭苦しい。没頭すると足を投げ出しながら椅子にのけぞる癖があるのだけれど、家では無意識にそんな姿勢を取れるほどの余裕はない。光ファイバー経由で会社のネットワークに接続できるとは言っても、やはり会社に比べると回線スピードが格段に遅い。オフィスでは数十メガ・ビットは出ていると思うのだが、家ではおそらくその十分の一程度のものだ。会社でサクサクとできることが、家では忍耐を強いられる。あちこちの情報を参照しながら資料をまとめる場合も家では不便だ。会社だと2台のPCを横に並べて駆使することもできるが、家だと1台は必ず膝の上である。長時間になると膝が重い。

というわけなので、生活と仕事とに明確に境界線を引くためにも、そして効率を上げるためにも、仕事は会社で片付けておきたい。何も好き好んで会社に長居しているわけでもないのだ。家で一人で難しい顔をしているよりは良いと思わないかい?

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