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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

梅雨の終わりに

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西日本は梅雨明け宣言が出たそうだ。東京近郊での先の週末は、雨は降らなかったし日差しも強かった。近所の学校の校庭も埃っぽく、当人達はきりりと引き締まっているつもりに違いないのだけれど、子供達の野球部やサッカー部の練習も、蒸し暑さが加わってけだるそうだった。昨年同様ならばまだこれから最高気温が10度近く上がるはずなので、今から暑さに参っていては先が思いやられるだろう。気象庁は梅雨明け宣言なるものをまだ出していないのだけれど、そんなものの有無なんかに関わりなく、自然は着々と僕たちに圧力をかけるべく、てぐすねを引いている。

アメリカのTVにはWeather チャンネルなるものがあって、天気を話題にした番組を24時間流していた。気温・湿度を含めた天候の予報だけでなく、ハリケーンだとか今のシーズンだとドップラー・レーダーによる雷やトルネード予報が中心である。風雨の強さに応じて様々に色づけされたTV画面上の雲の絵が刻一刻と自宅付近に接近してくる図は、自宅の窓から見る穏やかな外の様子と乖離していたりすると、現実的な危機感がなかなか伴ってこない。でもいよいよ濃く色付けされた雲の絵が住んでいる地域に差し掛かってくると、外の様相はあっていう間に一変して、TVだけの仮想世界と思っていたものがたちまち現実化するのである。

雷というと雨とか稲光とか落雷を思い浮かべるが、アメリカにいた時はそれに度々強風がおまけされた。英語のThunder StormStormたる所以だろう。警報が町に響くと、外出していた人たちはあわただしく最寄の建物に避難する。日本でも戦時中の空襲警報はこんな雰囲気だったのかもしれない。とにかくThunder Stormがやって来ると、車に乗っていても外出は危ないというわけだ。一度自宅の向かいのアパートのトタン屋根がばりばりと強風に剥がされ、飛ばされて行くのを見たことがある。時速100マイルを超える強風だったなんて言われても、大リーグのピッチャーの球速と混同してピンと来ないが、日本式に計算し直すと秒速40メートル以上なので、結構な強さの台風と同じだということがわかる。

だから天気予報は大袈裟に言うと、安全に日常生活を送るためには必須の情報源であった。Weatherチャンネルでは天気にちなんだ短いドラマを流すことはあっても、必要不可欠以上の予報は一切ない。晴れは晴れであって、暑いものは暑いのである。季節をどう表現するかなんてどうでもよいである。ましてや洗濯をするべきかどうかなんて、個人の事情で勝手に決めればよいのであって、どのくらいお勧めであるかなんておせっかいは一切ない。洗濯物はどんなにからりと晴れ上がった日であっても、そもそも外に干すのは景観を損ねるので望ましくない行為とされるらしい。そう言えばアメリカに物干し竿は売っていなかった。せっかくの太陽エネルギーを活用しないなんてエコに反するじゃないか。洞爺湖サミット参加各国では物干し竿を普及させようと宣言したらどうだろう。

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