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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

犬が欲しい

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どうも子供は生き物が好きである。娘が幼稚園に通っていた頃は平気でダンゴ虫を捕まえて、宝物のように持って帰ってきたものだ。庭のないマンションに置いておいても餌になるものなんぞないので、早々に目を盗んで近所の公園に捨てて来る。先の夏には学校からヤゴを何匹かバケツに入れて持って帰ってきた。仕方なく魚釣りの餌を買って用意していたのだが、贅沢なことに生きた餌でないと目もくれようとしない。どうしようかと様子を見ていたら、これが結構獰猛なやつで、共食いをするのである。そして最後に残ったやつがめでたくトンボになってどこかへ飛び去っていった。ベランダにはアゲハチョウをおびき寄せるべく鉢植えのみかんの木があるのだが、毎年2~3個の卵が植えつけられてゆく。幼虫からさなぎになる頃には虫かごに入れやって、羽化の観察をするのである。娘は夏休みなのでよいのかもしれないが、羽化は大体夜明けから早朝にかけて見られるのである。写真に撮って宿題の観察日記にしなければならないとかで、一緒に感動の瞬間とやらを目撃しなければならない。チョウの羽化をこの目で見たのは初めてだけれど、僕の睡眠時間を返してくれ。

昆虫に留まっているうちはまだよいのだが、そのうちに犬を飼いたいと言い出す。家はマンションで庭がないからねと言っても、室内犬を飼っている世帯があるのも事実である。だけど毎朝早起きして散歩に連れて行かないといけないんだよ、と言っても絶対面倒見るからと主張する。雨でも寒くてもだよと言っても、毎日必ず散歩に行くことを約束するそうである。やっぱり庭がないと犬がかわいそうだよ、と諭すと、庭のある家に引っ越したいと突っ込んでくる。引越してもよいけど、○○ちゃんと違う学校に変わることになるよ、と言うとようやく追求の手が緩む。とは言っても納得しているわけではない。

しょげたままでは可哀想だし、情操教育も考えなければならないだろうという事で、親の負担が少なくて済む小動物を何か考えることにした。数年前まではハムスターが人気だったが、要するにあれは狭くて暗いところが大好きな、単なるねずみである。ちょっと目を離した隙に、家具の裏にでも廻られたら厄介である。親戚の家ではしょっちゅう大騒ぎをしていた。いくら娘が面倒を見ると言ったところで、猫アレルギーの妻でも手間をかけずに面倒を見ることができて、だいたい要領もわかっているとなると、小鳥あたりが無難である。というわけで我が家には今インコがいる。近所のペットショップで買ってきたのが3月初めなので、かれこれ10ヶ月近い。

だからといって、犬への想いが放棄されたわけではないらしい。サンタクロースにお願いしたら何とかなるかな、などと言われても困るのである。たまに近所のペットショップへ出かけて行って、買いもしない犬の頭を撫で回して、手をぺろぺろと舐められることでお茶を濁している。

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