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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

シンガポールの激辛鍋

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3泊4日でシンガポールに出張に行ってきた。あちらは旧正月直前のため、皆落ち着きがない。何でこんな気ぜわしい時に日本からわざわざやって来るのだ、という先方の思いが感じられたのだけれども、事情を知らないで日程を決めてしまったのだからしょうがない。あらかじめスケジュールには同意してもらっていたわけだし、申し訳ないがミーティングにはお付き合いいただいた。

で、何をしたかと言うと、せっかく海外に出たわけなので、夜はひたすらに現地のレストランを巡って歩いた。トレーダース・ホテルにあるア・ホイズ・キッチンで黒胡椒醤の効いたカニを食べ(少々スパイシーだがこの程度なら楽勝)、チャター・ボックスでチキンライスを食べた(これは全然辛くない)。そして最後の夜はマジック・オブ・チョンキン・ホットポットでスチームボートの辛さにのたうち回った。

スチームボートはシンガポールの鍋料理であり、中国語で火鍋と書く。大きな鍋が真ん中で2つに仕切られており、うち半分に白っぽい濃厚な鶏ガラスープが満たされている。これは結構おいしく飲める。曲者は残り半分の赤っぽいスープで、どうやら唐辛子の赤がそのままスープの色に反映されている。要するに一口スープを飲むと、強烈な痺れが口から喉から胃袋にいたるまで染み渡る。それまでのんびりしていた胃袋が、突然後ろから蹴りを食らわされたようにびっくりして踊りだす。スープを飲む際にも十分に用心しないと、きっとむせ返ってしまう。無事にスープを飲み込むことができたとしても、しばらくすると一気に汗が噴出してしまう。こんな劇薬のようなスープと温厚な鶏ガラスープに、野菜やら肉やらシーフードやらを放り込んで食べるのである。「劇薬」スープに浸った食材だけを食べ続けると身がもたないので、鳥ガラスープの食材で体を休めることを忘れてはいけない。

大人一人の鍋料金が33.8シンガポール・ドルなので、日本円換算で約2650円程度のものである。これを高いと見るか安いと見るかは人によって分かれると思うが、明らかにアルコール類は高かった。グラス一杯のビールが日本円で約550円である。他にも衣類や地下鉄の料金などを見たが、どうやらシンガポールでは生活必需品の価格はかなり低く抑えられている。一方でアルコールなど贅沢品の値段は高い。政府の価格政策なんだと思うが、意図的にメリハリを利かせているのに違いない。

それにしても、いつかふたたび「劇薬」スープにチャレンジしたいものだと思う。結構辛いものには強いと自負していたのだか、今回は完全に「負け」であった。どなたか自信のある方は、試してみてはいかが。レストランはタングリン・ロード沿いの、タングリン・ショッピング・センター内にあった。

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