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人材業界が知るべきリンクトインの3つの脅威

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 [読了時間:3分]

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 このエントリは「リンクトインという黒船が日本に上陸するにあたり人材業界の方々が知っておくべきことは、月8,000円のターゲティングされた搭載求人広告、採用ソリューション機能、頻繁にちゃんと更新される履歴書データベースの3点だ」という内容です。


 本日は某人材系企業様の社内勉強会にてリンクトインの説明をさせていただきました。そのやりとりの中で個人的に感じた「人材ビジネスに携わっておられる方は最低限この3点は知っておかないと危険なのではないか」という点をご紹介したいと思います。


 ▼人材業界に黒船が来ている

 今更にもほどがありますが、リンクトインというビジネスSNSが日本に上陸しようとしています。リンクトインは基本的にはビジネスパーソンがアクセスしてそこでキャリアや人脈を管理し、自らの生産性を高めるツールですが、そこで求人募集情報をかけたりそれに応じたりすることができるため、日本の人材業界に大きな影響を及ぼすことが予想されています。
 また、海外では「最も使うSNSはFacebook。最も大切なSNSはLinkedIn」というアンケート結果が出ているように、人々、特にビジネスパーソンにとって必要不可欠なツールとなってきています。

 では改めてですが、何故リンクトインが日本の人材業界を揺るがすと言われているのでしょうか。色々な切り口がありますが、象徴的だと感じるものを3つ挙げてみたいと思います。


 ▼人材業界が知るべきリンクトイン3つの脅威

 私が思う、リンクトインの驚異的な側面は下記の3点です。


 1:1月1枠約8,000円($95)~で配信できる求人広告

 その名の通りですが、一つの求人広告枠がおよそ8,000円程度です。これは既存の求人広告ビジネスを間違いなく破壊します。また、ただの広告ではなく、一度この広告が投稿されると各ユーザーのプロフィールを自動的に読み込んで最適化し「あなたにおすすめなお仕事はこれ」という表示がされるなど、リンクトイン上の様々なページで最適化された情報が表示されます。


 2:年間約70万円程度~で利用できる採用向けソリューション

 Btrax社さんのブログに詳しい記事が紹介されていますが、採用担当向けにリンクトインの履歴書データベースにアクセスして詳細の検索ができるというサービスが提供されています。採用担当が自分でどんどん人材を探せるという前提に立つと、人材業界を挟まずにダイレクトにここで人探し・マッチングが出来ると推測されます。
 私も実際にこのサービスを利用したことがないため詳細は把握しきれていませんが、下記の通り、このサービスからのリンクトイン社の売上が明らかに拡大しています。(参考記事

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 3:頻繁にアップデートされるプロフィール

 リンクトインの企業ページを見ると様々な情報が閲覧できますが、企業をフォローすると企業の人材異動などのアップデート情報がほぼリアルタイムに配信されます。例えば「●●さんが新たに営業として入社しました」といった内容が表示されたりしていますが、これはリンクトイン社の誰かが入力したのではなく、ただ単にその人がプロフィールを書き換えただけでそれが企業の情報として自動的に反映されているのです。
 求人広告でターゲティングしたり、人探しで検索をかけたりしても、履歴書情報が古かったりするとサービスの精度が下がってしまいます。が、リンクトイン上ではセルフブランディングの必要性などもあって頻繁にプロフィールを更新されており、基本的には履歴書は常に最新の状態に保たれています。これは既存の人材マッチングビジネスデータベースと比較すると脅威であると思います。


 以上が私の思うリンクトインが人材業界に及ぼす3つの脅威です。ちなみに脅威はまだまだ増えるものと思います。今日も「リンクトインが企業公式ページ等に搭載するための求人応募ボタンプラグインを発表した」というニュースがありました。こういった、企業が簡単にリンクトインを利用できるような環境作りも、ものすごいスピードで拡大していくと思われます。

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