安藤美冬さんの「冒険に出よう」を読みました
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最近よくメディア上で見かける安藤美冬さん、慶應大学の三田祭の講演を聞いてきました。
安藤さんは、集英社を退職して、独立し、営業するのではなくソーシャルメディアを使ってブランディングをして色んな仕事をもらう、という新しい働き方をして注目をされています。情熱大陸に出て一気に有名になったみたいですね。
ご本人は一生懸命さがにじみ出てて、人なつっこい感じで、近くにいたら皆好きになっちゃうんだろうなぁと思いました。「冒険に出よう」という本も出されたということで、読書感想文を書きます。
今の時代は、こうやって生きれば大丈夫だよ、という安定した人生の道筋というものがなくなってしまったので、みんな働き方、生き方を探している人が多いように思います。もしかしたら、経済的な理由だけでなく、去年の地震で現実的に「死」を強く意識したことも、どう生きるか深く考える人を増やしたのかもしれません。安藤さんは、体をはってその答えを探そうとしている一人なのだと思います。
安藤さんの本は一言でいうと、「私はこうしてみたよ!けっこういいよ!」という事が主題だと思いました。ただの精神論で終わらず、どういう考えでどういう事をやったのか具体的に書かれています。深く悩んで考えた人じゃないと出せない答えだと思いますが、その努力の内容を惜しげもなく、事細かに書かれているところに誠実さを感じます。
オリンピックの前に、テレビで北島康介選手の練習を取材しているのを見たことがあります。
プールに飛び込んで水に入る時のつま先の角度を数ミリ単位で修正する練習でした。水に入る時の爪先の角度でタイムに差が出るそうです。北島選手が飛び込む時にビデオをとって、水から出て動画を確認し、あと数ミリ爪先を上に向けようとコーチからアドバイスをもらって、また飛び込む。ということを何度も何度も繰り返していました。
安藤さんの本も、こういう細かい具体的な話がたくさん書かれています。
北島選手の練習方法を例にすると、「飛び込んだ時のつま先の角度が重要なのです。それを直すためには、飛び込む時にビデオに撮って、水から上がったらすぐに動画でつま先の角度を確認して、正しい角度で飛び込みができるようになるまで何度でも繰り返します」というような事が書かれています。実際にやってみた人じゃないと書けない話。だからこそ、リアリティがあって共感を呼ぶのかと思います。
面白い本でした。
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