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元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

終戦の日に思い出すこと

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確か、大阪市内から郊外に引っ越した後のことだから、私は11歳にはなっていたと思う。

母の実家の徳島県から、親戚の知り合いという方が家に泊まりに来られた。その方は戦争中、志願兵として戦地に赴かれたのだという。昔語りが始まろうとした時に話の腰を折ったのは、私だった。

「えー!おっちゃんは、自分から望んで兵隊になったの?あんな間違った戦争に、何で志願したの?何で戦争は間違っていると反対せえへんかったの?」大変批判的な口調だったのは今でも覚えている。

その方はそこで口を噤み、話は途切れた。

その方がうちに来られたのは、この時限りだと記憶している。

今から思うと、穴があったら入りたいくらい恥ずかしい。その方はどんな気持ちで私の言葉を聞いたことだろう。

でも、たかが小学生高学年かそこらの私が、当時何の臆面もなく「戦争をした日本は間違っていた。」と言ってはばからなかったことも、事実には違いない。

大人になって、他人の受け売りではなく、自分自身であの戦争について振り返る必要があると考えるようになった。それが、私がおかしたあのおじさんへの無礼を償う、唯一の手段だと思う。


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