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元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

海に流出した石油をきれいにするローテクな方法

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昨年起きたメキシコ湾原油流出事故。この頃はほとんど全然話題に上らないけれど、汚染除去作業は進んでいるのだろうか?

事故があったことも記憶のかなたに押しやられた頃、エコノミスト最新号でふと汚染除去作業に関する面白い記事を見つけた。

イタリアのTecnomeccanica Bielleseという繊維会社が開発したのだとか。化学中和剤などは使わない。用いるのは単なるウール、それもきめの粗いやつ。水をはじく一方、油を吸収するというウール繊維の特徴をそのまま生かしたらしい。

事故で流出した原油5百万バーレルを吸収するのに必要ななウールは7,000トン。現在の相場は1kgあたり$1というから、$1/kg x 7,000 t x 1,000 kg/t = $7 mil. ですむという。中和剤に比べるとずっとお得なようだ。

まだ実験段階とはいうが、ウールみたいに長年使われてきた天然素材も、まだまだ新しい使い道が考えられるとは心強い。廃棄方法も定かでない新素材開発に懸命になるのもいいけれど、環境に優しく、長年使われている素材を見直すのも悪くないのでは。

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