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元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

日本の伝統工芸産業を守るには...

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1. 平成2年:508,164百万円 --> 平成18年: 177,330百万円
2. 昭和54年:34,043社        --> 平成18年: 16,704社
3. 昭和54年:287,956人      --> 平成18年: 93,365人

これらの数字、何のことだかわかりますか?

平成20年8月に経産省製造産業局伝統的工芸品産業室が作成した資料のうち、「伝統的工芸品産業の現状(全体)」のページから抜き出した数字。

1はその生産額、2は企業数、そして3は従事者数を示す。

「伝統的工芸品」とは、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)」に基づき、経済産業大臣が指定した工芸品。資料によれば、織物や染織品、陶磁器、漆器、木工品・竹工品、金工品、仏壇・仏具、和紙、文具、石工品、貴石細工、人形・こけし、その他工芸品、工芸材料・工芸用具...平成20年8月現在で、全国で210品目にのぼる。

「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」があるくらいだから、振興がその目的なのだろうが、上記の数字を見ると、明らかに振興どころか衰退の一途をたどっている。

また別の統計から。

4. 昭和51年:225,430戸  --> 平成21年:960戸
5. 昭和51年:87,837トン --> 平成21年:327トン
6. 昭和51年:119カ所   --> 平成21年:2カ所

これらは、日本国内の蚕糸、絹業生産流通の統計からの抜粋。

4は、養蚕農家数、
5は、収繭量、
6は、器械製糸運転工場数

日本の絹を用い、反物を器械で織る*糸を器械で製造する工場は、今は国内に2カ所しかない。

本当にこれでいいのだろうか?

明日の夜は、シアトルで最も高いビルの最上階にあるコロンビアクラブで、日本救済の為のチャリティーイベントが催される。このイベントに、母の大島紬を着て行くことにした。着物を身にまといつつ、日本の伝統工芸の衰退をいかにして食い止められるか、を考えることにする。

*...しょうたくさん、間違いをご指摘くださりありがとうございます。

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