主権在民の精神を上杉鷹山に学ぶ
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以前「なぜ松下は変われたか」という本を読んだ。中村邦夫会長が販売会社の統合を進めている時、先輩から「この本を読んでみろ」と渡されたのが、童門冬二著の「小説上杉鷹山」だったという。
ということで、私も一度上杉鷹山について読みたいと思っていた。小説ほど長くないけれど、同じ著者による「上杉鷹山の経済学」をこの度読み終えた。
NHKの特集番組があったりして、最近日本では上杉鷹山がよく取り上げられているとか。でも私は、この本を読むまで、どんな人なのか、どんな偉業を成し遂げた人なのかも知らなかった。
1785年、米沢藩主として在職19年目、35歳にして鷹山が世子治広に家督を譲った時に説いた、「伝国の辞」。これもあまりに有名らしいが、私はこの本を読んで初めて知った。
一、国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれ無く候
一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれ無く候
一、国家人民の為め立てたる君にして君の為めに立ちたる国家人民にはこれ無く候
ずっと昔法学部に学んだが、主権在民なんて西洋から借りて来た思想とばかり思っていた。それが、なんとフランス革命に先立つこと4年、「国家人民の為め立てたる君にして君の為めに立ちたる国家人民にはこれ無く候」と明言するリーダーが、日本にいたなんて。そして、口先だけでなく、これを一生実行したなんて.....
歴史をひもとくと、師と仰ぎたい人がたくさんいる。見習うのは今からでも遅くない、と自分に言い聞かせよう。
ところで、子供の頃二宮金次郎や野口英世の伝記は読んだ覚えがあるが、上杉鷹山は覚えがない。最近の子供用の伝記全集には、是非入っていてほしい人物です。
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