【IBM developerWorks】最後は人のチカラです
日本IBMさん主催の「IBM developerWorks ブロガーズ・ミーティング」に招待いただき、参加してきました。当日の内容はすでに小俣さんや他の方がアップされています。夜の10時過ぎまで懇親会をしていて、いつエントリを書いたのでしょうか。ちゃんと仕事をしているのか、心配になります。すでに一番乗りを逃しましたので、他の方とダブらないように、ピンポイントで書きます。
IBM東京基礎研究所所長の丸山氏に講演いただいたGTO(グローバル・テクノロジー・アウトルック)2009は、「今、起きつつあるものの中で重要な技術をつかまえる」ために、IBMの3,000人の研究者が出した数百のアイディアから、6つに絞り込んだものです。
- デジタルエコノミー
- データに基づくスマートな意志決定
- サービスの質
- クラウド
- セキュリティ
- ビジネスに変革をもたらすハイブリッドシステム
技術トレンドを見つけることが目的です。と言っても、IBMの考えるイノベーションとは、テクノロジーそのものと、テクノロジーでどう世の中を変えるかの両方を含みます。個々の技術の詳細というよりは、これから世の中を動かしていく技術分野を、IBMがどう考えているか、IBMとしてどこに投資していくかをまとめたものと言った方がいいかもしれません。
30分間をフルに使って、非常に密度の濃いお話をきかせていただきました。
私が以前に持っていたIBMのイメージは、「汎用機、AS/400、RS/6000、ThinkPad等のパソコンの会社」でした。1990年代のIBMは、パソコン分野でいろいろ変な(尖った)製品を出していて、パソコンマニアに人気のある企業でした。それが、汎用機がSystem z、x86サーバーがSystem xになって、パソコン事業をレノボに売却した頃から、企業イメージがぼやけてきました。今回おききしたところでは、IBMの売上はすでに6割がサービスビジネスだそうです。もはやハードメーカーではなく、テクノロジーを売る会社なのだとイメージを新たにしました。
ミーティングの冒頭で、日本IBMがなぜこのようなミーティングを開催しているかの説明がありました。developerWorks Japan編集長の宮川氏は「グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略」を読んで、
- 重要なのはテクノロジーが生み出している関係(つながり)である。
- 会話の輪に加わらない限りその企業に未来はない。
と感じられたとのことです。考えるだけでなく、実際にミーティングとして形にしてしまうところが凄いです。大企業でありながら、世の中の変化を先取りして変わっていくIBMの柔軟性と底力を見ました。
懇親会では、企業におけるコールセンターの位置づけについて意見を同じくする方とお話できて、非常に楽しく有意義な時間を過ごしました。
日本IBMは大企業のイメージからはずれた変な(尖った)社員が多いです。やはり最後は一人一人のチカラなのだと感じました。
翻って考えるに、日本の大手IT企業が閉鎖的なことが気になります。日本のIT業界の閉鎖性は、ディスカッション「日本のソフトウェアがグローバルでやりあっていくには?」でも挙がりました。
オルタナティブブログでは、日本IBM、日本オラクル、マイクロソフト、サンマイクロシステムズなどの外資系IT企業で働くブロガーが、積極的にエントリを書いています。でも、日本の大手IT企業の方はいません。日本の大手IT業界も、顔が見える情報発信が必要だと考えます。
「重要なのはテクノロジーが生み出している関係(つながり)である。」「会話の輪に加わらない限りその企業に未来はない。」は、重みのある指摘だと思います。