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給付金で悩むくらいなら、いっそ【ベーシック・インカム】で

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CMパンチの佐々木さんにご紹介いただいた、ゲッツ・W・ヴェルナー著「ベーシック・インカム 基本所得のある社会へ」を読了しました。

感想を一言で言うと、ヴェルナーの考えは非常に大胆かつ興味深い提言であると思いました。これから何回かに分けて、ご紹介していきます。佐々木さんのエントリとダブる所があるかもしれませんが、ベーシックインカムを多面的に考えるためということで、ご了承ください。

政府の経済対策の目玉になっている給付金計画ですが、総額2兆円の“ばらまき”との批判が出ています。1人あたり1万2千円を配る経費だけで、1,000億円とも言われます。このお金は、空から降ってくるわけでも地面から湧いて来るわけでもありません。もとはと言えば企業や個人から集めた税金です。集める時も費用がかかっています。今回の給付金はあくまでも一時的な支出で、2年後とも言われる消費税の増税とセットです。それがわかっているため、NHKの世論調査によると、自民党支持者の間でも給付金について賛否が分かれています。

さらに、高額所得者に配るのかとか、年収がいくらなら高額所得者かとか、規則にすると時間がかかるから辞退すべきだとか、なんだか訳がわからなくなってきています。

リーマン破綻の直後は、海外の金融市場の事だと対岸の火事モードだった人がいたでしょう。しかし、トヨタの決算発表を見た後では、さすがに楽観的にはなれないのではと思います。今から給付金を配っても、景気よく使ってしまう人がどのくらいいるでしょうか。この春以来の燃料や食品の値上げ、冬のボーナスの減額と相殺されて終わってしまう可能性が高いです。少なくとも我が家では、生活必需品に使います。それで浮いた分は貯金です。よく考えてみれば、自分が払った税金が戻ってくるだけのことです。

一方で、自民党税制調査会では、法人税率の引き下げも検討されているようです。

給付金をばらまいて、消費税を上げて、法人税を引き下げるなら、いっそのことベーシックインカムを議論してみたらどうだろう、というのが今回の趣旨です。

次回に続きます。

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