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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

研修効果を最大限にするための「Before」と「After」。上司ができることと参加者自身ができること

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先週10/12金に開催された「オルタなブロガー定例会」はワタクシの勤務先を会場とし、不肖ワタクシがプレゼンもいたしました。多くのブロガーの方にブログを書いていただき、感謝いたします。

さて、それはさておき。その中で、「研修のBefore/After」について書きました。その部分をすでに坂本さんや山口さんがブログに書いてくださっていますが、ワタクシもここを少し解説したいと思います。

「研修」を受けると言う場合、「研修そのものの効果」は、20%くらいなのだそうです。大事なのは、それ以外の80%。ざっくり言って、「Before」が40%、「After」が40%。

●Before
・上司による動機づけ
・当人による意義づけ
・予習 
など

●Atfer
・上司など他者による振り返り(支援)
・自身の振り返り
・学んだことを生かせるジョブアサインなど実務との関連づけ
など

Before/Afterは研修会場で行うものではなく、各職場で教室の外で行われるものです。人事や人材開発だけが手掛けられるものではなく、現場の上司や同僚の手を借りる必要があります。

もし、皆さんが上司であれば、
●部下を研修に送り出す前に何等かの動機づけ、目的意識の醸成を図っていますか?
●部下が研修から帰ってきたら何等かの振り返り支援や学んだことを仕事に還元できるように関連付けられるようにジョブアサイン等で工夫をしていますか?
という部分を自問自答してみていただきたいなぁと思います。成果を上げるために大事なことですから。

研修の仕事に携わっておりますと、時々、とても不満顔な方に遭遇することがあります。お話を伺うと、だいたいこんな感じのことをおっしゃいます。

「知らない間に上司が申し込んできて、上司命令で来ただけ。自分は受けたくなかったのに」
「ただ机の上に”申込書”が置いてあり、行って来いと言われただけ」

・・・ 上司が一言「こういう目的で行って来てね」「これを学んできてね」「なぜあなたに行ってもらうかというと」と目的、意義を伝えていたら、こんな反応はないでしょうに、とザンネンに思います。

ただ、いつも思うのですが、もう大人なのですから、言われた部下も「なぜ私に?」「どういう意図がありますか?」と上司に尋ねればよいのに・・・。素直に研修会場までは来て、そこで、大勢の(場合によっては複数の企業の方も)いる場所で、不貞腐れているのは大人として戦略ミスな気もしますし。(そこで人脈を作れる方もいるし、中にはケッコンした方もいらっしゃいますし。主旨とは違いますけれどw)

Before/Afterは、ある面「上司マター」ですけれども、参加する部下自身の問題でもあります。

Beforeで出来ることといえば、たとえば、研修の内容にざっと目を通しておく。セミナーや研修、講演など内容は今やたいていWebに記載されています。そこを見ておくだけでも、こころの準備ができます。また、たとえば、講師がわかっている場合、その講師が書いている本やブログやコラムなどを少しでも読んでおくのもおススメです。

Afterであれば、職場に戻って、「報告書」を書く、グループミーティングで、さっとブリーフィングする。他者の役に足す情報提供ができる以前に、自分自身の復習になります。

私が現在通っている大学や参加したセミナーの概要をこのブログでアップするのも、多くの方に情報提供したいという気持ちに加え、自分自身の学びの整理になるからでもあります。後者の理由の方が大きいくらいです。

「ブログを書くまでが●●です」とは、コンベンションなどのイベントではよくつぶやかれるセリフですが、日記でも報告書でも、なんらかのアウトプットを自ら行ってみることは意味があります。

上司の動機づけに期待するだけでなく、自分でできるBefore/Afterの工夫、様々に考えてみてはいかがでしょうか?

=== ブロガー定例会10月度のことをかいてくださった方一覧 ===
※ありがとうございます。私が見つけたのは以下の方たちですが、漏れていたらゴメンナサイ。

小俣さん http://blogs.itmedia.co.jp/komata/2012/10/post-d3d5.html
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