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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

”雑誌”マーケティングでクルマを売ろう

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最近の案件がクルマ関連なのでいろいろ仕込みをしています。自動車業界ではピーク時に600万台あった新車販売(軽を除く)が400万台前後まで縮小し、99年頃から新車が売れない時代に突入しています。今年は株高、ボーナスアップで前年より多少増えそうですが、それでも410万台ぐらいに留まりそうです。

新車が売れない理由については、ディーラーの業界である日本自動車販売協会連合会が刊行している「自動車ディーラー・ビジョン2003年版」が非常に的確に分析しています(執筆は三菱総研)。

価値観の多様化で「クルマが命」という男性が少なくなった、クルマを単なるツールとみなす人が増えた→代替移動手段があればクルマを買わない、若者が減っている、所得階層の分化といった理由が挙げられています。

放っておくと新車市場は縮小するばかりなので、各メーカーとも長期的な顧客になりうる若年層の開拓に真剣です。日産のTIIDAブログもその文脈にありますね。

トヨタが先日から「ミュージックプレイヤー」を発売するというので、ウェブでティーザー展開を行っています。ネットの噂によると2000年頃に出たbBのフルモデルチェンジらしいですが、実際のところはわかりません。ウェブでは、MTVとのマッシュアップということで、ロックとヒップホップのアーティストを登場させつつ、「ミュージックプレイヤー」的な世界を作っていくようです。

トヨタは米国では若年層向けのブランドとしてSCIONを展開しています。ウェブサイトを見る限りでは、テイストがストリートカルチャーですね。トヨタはNetzチャネルのウェブで音楽をかなり採り入れていますが、比較的おとなしい路線に留まっています。今回の「ミュージックプレイヤー」ではストリートに一歩足を踏み入れて、未開拓の層にアプローチしていくようです。

自動車業界全般に言えることですが、年間ランキングトップ10の個別車種の販売台数は10万台もいけばかなりいい方です。数万台でベスト10入りできます。このスケールは出版界的感覚で考えるなら、1つの雑誌で十分にカバーできる数字ですね。1車種の潜在顧客が5倍の50万人としても雑誌的なマーケティング感覚でなんとかなる世界。「雑誌のようにクルマをつくる」アプローチがあってもいいかも知れませんね。

グルメな人のクルマとか、天体観測好きのクルマとか、鉄道愛好家向け、ホームシアターマニア向け、へらぶなマニア向けなどなど。三井物産からライセンスを受ければロハスも可能ですね(^^;。

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