経営者や営業責任者の8割以上が、自社の営業チームが思ったように動かずに悩んでいます。リクルートでもっとも多くの営業チームを立ち上げ、5年連続でNo.1マネジャーの評価を得た著者が「売れるチームづくり」の極意を語ります。

営業チームも「ビールかけ」をしよう!

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ときどき思うことがあるのですが、営業チームも年間目標とか達成したら「ビールかけ」をやってもいんじゃないかと。

もちろん、実際に事務所でやったらその後1ヶ月ぐらい使用不能になるでしょうけども、要はノリの話です。ビールかけのような全員で盛り上がるイベントをやろうという意味です。

プロ野球の優勝は、大の男たちが抱き合って涙を流すほど歓喜します。本気でがんばった営業チームの年間目標達成だってプロ野球の優勝と同じぐらい感動的なことだとわたしは思います。

●リクルートの目標達成会


わたしがいたリクルートでは、目標を達成すると、事業部や部門、あるいはチームごとに「目標達成会」をやっていました。

年間はもちろん、クォーター(3ヶ月)でもやりますし、月間でもやっていました。

年間やクォーターともなると、それは盛大なものになります。

まず、「○○事業部 年間目標○○億円 達成!!」といった横断幕を作ります。手作りなので当然手間ひまかかります。これを会場に貼り出します。

また、マネジャーは表彰状を作っておきます。これも手書きで、形式的な文章ではなく、表彰者のキャラやエピソードを盛り込んだ内容にします。達成者が多いと、この作業だけで丸々一日かかることもあります。

会場では、マネジャーは表彰者を呼び出し、全員の前で表彰状を読み上げます。

表彰状は、笑いの要素と感動のエピソードを交えて作られているので、その内容に表彰されている人がまずグッときます。読んでいるマネジャー自身も泣きそうになり、その様子を見て全員が感動します。


●ヒーローインタビュー


続いて目標達成者のヒーローインタビューです。

どんな思いでこの1年がんばったのか、苦しかったこと、どうやってそれを乗り切ったのか、どんな工夫をしたのかといったことが語られます。そんな話を聞いていると、今回は目標を達成できなかった人も、よし次はがんばろうという気持ちになります。

こうして、成績優秀者全員の表彰とヒーローインタビューが終わると、マネジャーからあいさつがあります。これは、全員に感謝とねぎらいの気持ちを伝える内容となります。

表彰式が終わったら、お待ちかねの打ち上げパーティーです。

乾杯のあと、ひとしきり酔いもまわったところで全員が一人一人来季への決意表明をします。

そうすると目標を達成できなかった人も「今期は、足をひっぱっちゃったので、来期は何が何でも目標の1.5倍の数字を達成します!」などと自発的に言い出すメンバーが出てきます。誰に強制されるわけでもないのですが、自分からそう言いたくなってしまうのです。

すると、すかさず周りから「よし!よく言った!」「だいじょうぶ!」「お前ならできる!」といった激励の声が飛び、目標達成者にも負けない大きな拍手が巻き起こります。

こういう話を聞くと、新興宗教の洗脳みたいで抵抗があるという人もいます。

しかし、このようなイベントが成立するためには、マネジャーは洗脳とはまったく逆の心掛けを常に持っている必要があるのです。


●感動的な「目標達成会」が成立するための条件


その心掛けは2つです。

1つは、個人の成績以前にチーム目標の達成が第一であり、そのために力を合わせているのだという意識を常に浸透させる努力をするということです。

このコラムでも何回か書いていますが、正しいマネジメントでは、誰がだめだったかにフォーカスを当てるということを絶対にしません。そうではなく「貢献した人を称賛する」という風土を常に作ります。

「目標達成会」はそのような風土が定着していることの証に過ぎないのです。年あるいは半期に一度形式的にやっている事務的で白けた結果発表だけではこうはならないでしょう。

もう1つは、目標を達成できなかった人についても、マネジャーはその努力を見逃さないということです。

チームの目標達成のために力を合わせる風土ができていれば、サボっていたので個人目標を達成できなかったという人はほとんどいなくなります。

先輩やほかのメンバーがチームの目標達成に向けて必死にがんばっている姿を見ていたら、自分もなんとか貢献したい、少なくとも足はひっぱりたくない、と自然に思うようになるからです。

じつは「仲間の真剣さ」というのは、もっとも質の高いプレッシャーなのです。上司の「もっと気合を入れろ!」なんていう下手な叱咤激励の100万倍、質が高くて効果的なプレッシャーなのです。

リクルート流の営業マネジメントを実行するためには、マネジャーは営業マンの行動量をほぼリアルタイムに把握していることが前提です。目標は達成できなくても、行動していることをマネジャーは把握しています。

なので、目標を達成できなかった営業マンにも「よくがんばってたくさんアポが取れるようになったな。あとは契約に結びつけられるように提案の精度を上げられれば次は絶対達成できるよ。いっしょにがんばろう。」というようなねぎらいの言葉をかけることができます。

営業マンからすれば、このようなねぎらいが嬉しいんですね。「もっと練習して、次は絶対達成しよう」という気持ちになる。

優秀な成績を上げた者には手間ひまかけて褒める。目標が達成できなかった者に対しても、そのチャレンジをねぎらう。

こうやってチャレンジがしたくなる風土を作っていくことがマネジャーの仕事であり、「目標達成会」はそのような風土であることを全員で確認する場だということなのです。

わたしが、「ビールかけ」にたとえたのは、そういう意味です。

プロ野球の「ビールかけ」で、成績が悪かった人に反省の弁をのべさせるチームなんてないでしょ。

チームの達成をみんなで思いっきり祝うことで、よりいっそう「この仲間とがんばりたい」「自分ももっとチームに貢献したい」という気持ちがわいてくるのです。


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