記録するジャーナリズムから、測って確かめるデータイズムへ

統計リテラシーに欠ける西日本新聞のお笑い「統計所得」報道

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今年3月に、マスコミの統計リテラシー不足を指摘する、吉祥寺が住みたい街1位から転落報道問題を話題にしたところですが、似た問題報道がまたきました。西日本新聞による、統計所得統計もんっ大報道です。

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/448833/

統計所得、過大に上昇 政府の手法変更が影響 専門家からは批判も

今回の西日本新聞の報道の問題はまつけんこと、 松本健太郎 さんが詳しく書かれているのでぜひごらんください。

https://note.mu/jyaga0716/n/n239faa6e4159
「統計所得」問題を整理する〜データリテラシーの無い西日本新聞を誰が叱るのか〜

そもそも統計は時系列比較をしたいので指標を頻繁に変えるべきではないのですが、実体が変わるのに合わせて変えていかないと形骸化してしまうというそもそもジレンマがあります。例えば、家計簿を細かくつけてもらうことで物価動向の統計として収集するとかいうのも家計簿を細かくつける人たち、主に専業主婦層が減って、今も昔ながらにデータを出してくれるひとがより「特殊化」しているとかいろいろな問題が生じます。物価統計なら支出の動向にあわせて品目の入れ替えも必要ですが、それで統計の連続性が損なわれる面もあります。そうは言っても、例えば新聞代を払う家庭が減ったら指標から外すとかやらないと生活の実体からの乖離が生じます。

そういう統計に内在する宿命として手法を変える必然性があるのですが、西日本新聞はその変えたことそのものを専門家が批判しているかのように書いているのが問題です。データのとり方に良し悪しがあっても、変更したことそれ自体を問題と伝えるのは間違いです。「課題に上昇」という報道で、西日本新聞はデータを読めないことも露呈しています。統計の連続性が失われて参考値としてしか得られないのであれば、それは「過大に上昇」していないのです。

この西日本新聞の報道の前に、朝日新聞はデータの表面的な解釈で報道していました。

6月の名目賃金3.6%増 21年ぶりの高い伸び率
村上晃一2018年8月7日09時25分 朝日新聞

報道の前にデータを解釈して、データの連続性があるのか?伸び率を論じることが可能なのかの判断が必要なのですが、朝日新聞は表面的な伸びをそのまま載せて垂れ流し報道し、西日本新聞は政府がデータを捏造しているかのような誤解を招く報道をしています。

結局データを解釈・分析した結果を報道できないという日本のマスコミの統計リテラシーに欠けた組織体制が一番の問題でしょう。こういうデータ解釈力に欠ける組織なので、日本の報道の自由度ランキングとか、自分ごととして真剣に分析してデータジャーナリズムで報道すべきことにも垂れ流し報道しかできていないのでしょう。

問題が起きるたびに指摘しますが、データ分析力に欠けた日本のマスコミはネットにフェイクニュースが溢れていると言ってもなんの説得力もありません。彼らはデータが読めないのですから。

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