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iPadを営業プレゼンテーションに使おう ~ 新たな社内情報共有の武器として

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5月28日,ついにiPadが自宅に届きました!

私のiPad購入理由はシンプルで,(1)最新機器の可能性を実体験すること,(2)営業ツール(プレゼンテーション)に活用すること の2点でした。そして試行錯誤の末,営業ツールとしての利用方法を確立できたので,管理系を除く社員全員にiPad配布を決定しました。

当記事では,当社ループスにおける情報共有の仕組み,その中でのiPad活用法を公開したいと思います。 
 
 
■ ループス社内情報共有の仕組み

現在,当社の情報共有環境は次の通り。常に最新のツール導入を心がけ,全社員が,オフィスでも,移動中でも,在宅時でもアクセスできるよう,クラウドサービスをフル活用している。

  1. 最新ニュースは,GoogleReaderで共有するとともに,Twitter連係で社内外でシェア
  2. 共有ファイルは,Dropboxによって全社員で情報共有
  3. 一部検索が重要な情報は,Evernoteによって全社員で情報共有

また当社は管理を除く全社員がiPhoneないしAndroidケータイを所有している。これにより,社員コワークの事務効率化は大幅に向上し,また仕事をする場所を選ぶ必要もなくなった。

今回のiPad活用もこれらの延長線上にある。つまり「脱WindwsPC」(当社は創業来のWIndows, MS-Offiiceユーザー)を図るための大切なステップだ。では,実際にiPadをどう使うか,具体的なステップを公開したい。
 
 
■ iPadによるビジネス・プレゼンテーションの方法

1.オフィス文書のPDF化

まず既存のパワーポイント資料などのオフィス文書のうち,プレゼンテーションに利用するものをすべてPDFファイルに変換する。PDFは変換プログラムによって大きくファイルサイズが異なるので注意したい。貴社のMS-Officeが2007であれば,Microsoftが提供している 標準PDFツール がベストな選択だ。

2.PDFファイルの保管場所

PDFファイルは共有スベースに保存するのが望ましい。アップデイトを配布する手間が省けるからだ。当社ではDropboxをフル活用し,実に快適な情報シェアをしている。具体的なステップは次の通りだ。

  1. 会社のDropboxアカウントを作成し,そこを「共有フォルダー」とする
  2. 社員個人もDropboxアカウントを持ち,会社PC,自宅PC,iPhone,iPad等で利用できるフォルダーを用意する
  3. 会社共有アカウントから各社員個人アカウントを招待し,「共有フォルダー」に対して共有設定をする

これで各社員個々のDropboxフォルダー内に,社内共有のサブフォルダーができる。そこに最新ファイルを入れておけば,全社員の全環境に最新ファイルが自動的に配信されることになる。今までの作業,例えば更新するごとにファイルにバージョン管理番号をつけ,関係者にメールを出し,受け取ったほうも特定の場所に移す。しかも自宅も会社もスマートフォンも。などという煩わしさから開放され,心地いいことこの上ない。(当然だが、機微な個人情報や機密性の高い情報の共有フォルダー登録は厳禁としている)

3.iPadへのデータ移行とプレゼンテーション

実はここでやっかいな問題がある。iPadの標準プレゼンツールであるKeynoteではPDFファイルを読み込みできない(アップル社コールセンターに確認済み)のだ。パワーポイントファイルであれば,(1)メール送信 (2)iWork.com経由 (3)iTunes経由 という三通りの読み込み方法(詳細はアップルヘルプ)があるのだが,フォント置き換えなどで大きくレイアウトが崩れてしまい,Keynoteでの修正作業が必須となってしまう。

そしてもう一つ問題がある。iPadからVGAモニターやプロジェクターに出力するためのアクササリーiPad Dock Connectorは用意されているものの,アプリサイドで対応していないと出力されないという点だ。具体的にはKeynote,YouTubeなどはプロジェクターに自動再生されるが,一般PDF閲覧アプリの画面はプロジェクターには表示されないのだ。

この点を解決したPDFツールを2つ発見したので紹介したい。ひとつはPower Presenter (230円),もうひとつはJust PDF (115円)。それぞれ日本版iTunesで購入可能なアプリだ。

このうち特にPower Pseneterは,単にPDFを画面表示するだけでなく,プロジェクターに投影しながらiPad上でさまざまなエフェクト(画面に文字を書いたりラインマーカーを引いたりできる,プレゼン途中でホワイトボードやWebに簡単に切り替えられる)があり,かなりのおすすめアプリだ。

ただしデータ移行は両ソフトともiTunesを経由をして行うため,それぞれの社員が自らのPCで共有フォルダーから移動する必要がある。

なお,プロジェクタに出力しない,iPad上だけのPDFプレゼンテーションだけでよければGood Reader (115円)もおすすめアプリだ。ポイントはDropboxフォルダーやWebからのダウンロードが可能な点,さらにPDFビュワーだけでなく,音楽再生や動画再生にまで対応しているということ。近い将来にはプロジェクター出力にも対応するのではないだろうか。
 
 
■ 当社の目指すゴールはクラウド化
 
MS-Officeに対する不満は根強い。「起動に時間がかかりすぎる」,「使えば使うほど遅くなる」,「突然固まる」,「Office2007のユーザーインターフェース変更には無性に腹が立つ」など,問題点をあげればきりがない。

当社は情報共有ツールに,複雑さや高機能ではなく,シンプルさとスピート,共有を求めている。そのためには,一刻も早く,脱オフィスを果たし,米国ベンチャーではあたりまえになっているクラウドスタイルに移行したい。

そのための最大の難所はMS-Office,特に既存のオフィス文書資産の活用をどうするかが大きな問題だった。今回のiPad全社員導入は,既存資産を新環境に移行するための「脱MS-Offcei」第一ステップとしての位置づけだ。

私の理想は,表計算や文書作成はGoogle Appsなどクラウドに,プレゼンテーションはKeynote(将来的にはPreziなどのクラウド)に無理なく移行すること。そして,場所や時間にわずらわされることなく,情報が共有され,自動更新される環境だ。そして情報を活用する社員同士はSkpyeTwitterFacebookなどでナチュラルで場所を選ばないコミュニケーション環境がバックアップする。

iPhoneAndroidiPadなどの機器や,GoogleAppsDropboxEvernoteGoodReaderなどのクラウドサービス,SkypeTwitterFacebookなどのコミュニケーションツールによって,その理想は夢物語ではなく,かなり現実に近づいてきた。2010年末にはループス社内外で完全な情報共有システムを(ほとんど無償で)実現したい。そして,それによって受ける恩恵は計り知れない,それこそ企業にとってプライスレスな価値だと考えている。
 

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