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ツイッターが広告ツイート禁止を宣言。昨日発表のオプト社「つあど」なども対象に

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日本時間で本日,5月25日午前0時すぎ,ツイッター公式ブログにてペイド・ツイートを禁止する意向が突然発表され,ブログメディア(Mashable, TechCrunch, VentureBeat等)をにぎわしている。

ツイッター公式ブログ
The Twitter Platform (Twitter, 2010/5/24)

ここで宣言されているのは,ツイッター社ではタイムラインに広告ツイート(ペイド・ツイート)を挿入するサードパーティのサービスを禁止する意向があるということ。該当する原文部分を抽出しておこう。

As our primary concern is the long-term health and value of the network, we have and will continue to forgo near-term revenue opportunities in the service of carefully metering the impact of Promoted Tweets on the user experience.

It is critical that the core experience of real-time introductions and information is protected for the user and with an eye toward long-term success for all advertisers, users and the Twitter ecosystem.

For this reason, aside from Promoted Tweets, we will not allow any third party to inject paid tweets into a timeline on any service that leverages the Twitter API.

We are updating our Terms of Service to articulate clearly what we mean by this statement, and we encourage you to read the updated API Terms of Service to be released shortly.

禁止の理由は,サードパーティ提供の広告ツイートが短期的なマネタイズを目的としていること。そのためインプレッションやクリック率の最大化が推奨され,ツイッター本来の持っている顧客エクスペリエンスが損なわれること等をあげている。

確かにツイッター社自身が提供しはじめたPromoted Tweetsにおいては,独自指標であるresonance score(共感スコア)に基づき,利用者および広告主にとってのクオリティを大切にしている。
 
Promotedtweet

この点は次のブログ記事をぜひ参考にしてほしい。

Virgin Americaのマーケティング責任者が語る,広告ツイート"Promoted Tweet"の舞台裏 (4/21)
ツイッターが開始した広告事業,Promoted Adsに関する多面的な考察 (4/14)
 
 
この禁止宣言の背景には最近急速に増えてきた広告ツイート増加がある。日本でも昨日5月24日にオプト社等による「つあど」,デジタルガレージ社による「つぶレコ」が発表されたばかりだ。

またツイッター公式ブログ発表と前後して,Overture創業者であるBill Gross氏が立ち上げた前評判の高いツイッター版Adsense「TweetUp」がローンチされており,実に微妙な開始タイミングとなってしまった。

Tweetup


もとより,広告ツイートがタイムライン上を流れることを問題視する利用者が多かったのも事実だ。

またその場合,「広告ツイートであることをハッシュタグによって明示すること」がWOMMAソーシャルメディア・マーケティング情報開示ガイドラインにて推奨されている。(参考記事:WOMMAがソーシャルメディアマーケティングの情報開示ガイドラインを発行,以下に該当部分を引用)

For platforms such as Twitter, the new WOMMA guidelines recommend marketers employ the following hashtags:
• #spon (sponsored)
• #paid (paid) and
• #samp (sample)

 
しかしながら,今までのAPI Terms of Serviceには次のように明記されていたため,デベロッパーからの反発は必至だろう。

We're committed to encouraging and supporting individuals and businesses who want to discuss and promote the products they care about. Your tweets may be sponsored by a third-party if you manually post or approve each sponsored tweet before it is posted.

 
今回ツイッター社が禁止を明言したのは「利用者のタイムラインにペイド・ツイートを掲載すること」であり,イン・ストリーム型広告配信サービスである 140Proofad.lytwad.lyMylikesつあど 等は明らかに対象となるはずだ。

検索型の広告配信サービスの TweetUp (表示されるのはタイムラインではなく検索結果)と,成果報酬型(純粋なペイド・ツイートではない)の つぶレコ は微妙なところ(提供元のデジタルガレージ社にはビズストーン氏がアドバイザリーボードに就任した直後)だろう。
 
 
ただし,公式ブログとほぼ同時に発表された新しいガイド Developer Rules of the Road によると,広告ツイートを提供するデベロッパー向けに抜け道が用意されたようだ。

  • Twitter Ads API経由で,Promoted Tweetsをタイムラインに広告表示できる
  • 利用者のタイムライン以外に広告を掲示することは引き続き問題ない

いずれもツイッター社とのレベニューシェアの形態をとるが,その比率や条件等は記載されておらず,詳しくは twitter_ads@twitter.com に問い合わせるようにとのこと。別の角度から見れば,Facebook同様,プラットフォーマーによる広告や課金からの収益を独占する流れの一貫とも言えるだろう。
 
 
デベロッパー向け,さらに詳しい情報についてはこちらへどうぞ。
API Terms of Service - Developer Rules of the Road (Twitter, 5/24)
Twitter clarifies its advertising policy. Developer or user, you should read this (The Next Web, 5/24)
 
  

【追記】
「つあど」について補足します。「つあど」では (1)広告主が指定したツイート原稿をユーザーが承認するタイプと (2)ユーザーが自ら考えたツイート原稿を広告主が承認するタイプ の2パターン(詳細はこちら)があります。いずれも利用者のタイムラインに表示され,かつ広告主の強い意向がツイートに含まれるため,ツイッター社の考え方にそうものではないはずですが,ユーザー自身の判断が入っているため,今回の禁止対象にならないだろうという見方もあるようです。ツイッター社の判断がどうでるかは不明なため,該当記事もあわせて紹介させていただきます。
Twitterがタイムライン上の広告を禁止=「つぶやきはユーザーのもの」【湯川】 (TechWave)
  
 
【追記2】
当記事でも参考にさせていただいたTechCrunchの日本語訳記事が出ました。あわせてご参考に。
「長期的ユーザー体験が第一」 Twitter、サードパーティーのタイムライン内広告を全面禁止 (TechCrunch)
 
 
【追記3】
「つあど」アカウントからのツイート,利用規約改訂に伴うサービス改修を検討されはじめたようです。関連ツイートをふたつ抜粋します。

Twad2_2

Twad1_2


【追記4】
デジタルガレージ社およびオプト社の見解がニュースになったので掲載します。要約するとデジタルガレージの「つぶレコ」は今回の規約改訂には抵触しないとの見解を発表,オプト社の「つあど」は現在対応を検討中とのことです。
デジタルガレージ、「つぶレコ」は米ツイッターの規約に抵触せずとの見解を表明 (日経ネットマーケティング)
 

 

【Twitter関連】
TwitterとFacebook,どちらが世界最大のソーシャル・ネットワークになるのか? (4/19) 
TwitterとFacebook,自社公表された最新統計値のまとめ (4/16) 
Twitter社が全ツイートにアクセスできるAPIをベンチャーに開放!その真意を探る (3/2) 

 
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最新の筆者著書です。 『Twitterマーケティング 消費者との絆が深まるつぶやきのルール』

Comment(2)

コメント

djsayura

つあどさんはテストモニターを募集されていて、問い合わせたのですが設定がわかりづらく、実行はしていませんでした。
”ユーザーが広告を自ら選択して配信”という行為は、現在のクチコミ情報サイトやそれらの引用と大きく変わらないとも捉えられますが、報酬を得るとなると、本人の意思だけでなく広告宣伝することになりますので、また違う意味を持つと思います。
広告ツイートばかりではフォロワーが減りかねないので、そのあたりの効果のバランスも難しいのではないでしょうか。

djsayura様
コメントありがとうございます。おっしゃられる通り,判断は難しいですが,ツイっター社は利用者視点を大切にしていますので,ユーザーが不快に感じるツイートは排除したいと考えているでしょうね。すでに時代も変わっており,押しつけ情報は広告主ブランドにとってもマイナスになるはずです。今回の記事に対しては多数の方からRetweetいただきましたが,その多くはツイッター社の判断をポジティブにとらえられているようです。

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