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TwitterとFacebook,どちらが世界最大のソーシャル・ネットワークになるのか?

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TwitterとFacebook,どちらが世界最大のソーシャル・ネットワークになるのだろうか?

2009年におけるネットメディアの論調は,ほぼ一貫して「Facebookの一人勝ち」だった。その背景には,Twitterアクセスの75%がAPI経由という特殊事情のため,統計情報が1/4程度に過小算出されていた点などがある。

しかし,4月14日にTwitter社が公表した数値は従来の予測を大きく上回るものだった。そこで気になってくるのが,FacebookとTwitterのアクセス規模は現在どうなっているのか?,そして今後はどうなっていくのか?という点だ。

参考記事:Twitterのトラフィック規模は従来想定よりはるかに大きいのかもしれない (TechCrunch)

特にTwitterが浸透しはじめている日本にとって,TwitterがFacebookを世界的にも凌駕する可能性があるのか気になるところだ。神のみぞ知る領域ではあるが,彼らの公表値を基準に類推をすすめてみたい。
 
 
■TwitterとFacebook,月間訪問者数の比較


まずそれぞれの公表値(詳細はこちら:TwitterとFacebook,自社公表された最新統計値のまとめ)をベースに,月訪問者(ユニークユーザー)数の推移を素直にグラフ化してみた。(単位は百万人。2010/6月の点線部は予測値) ただしTwitter社から正式に発表されているのは現時点のユニークユーザー数のみであり,その推移はTweet数推移(自社発表値)に比例すると仮定している。

Fig2

双方から発表された最新月間ユニーク・ユーザー数は,Facebookは2010年1月で4億人,Twitterは2010年3月で1.8億人となっている。それぞれ急成長しているため,この2ヶ月の差が実はかなり重要だ。そのため2010年は直近成長率に基づく推定値を用いた。表にすると次の通りだ。

Fig1
【四半期ごとの月間訪問者数(グレー部分は推定値) 単位:百万人】

グレー部分(図では点線部分)が焦点となる今後の予測値だ。直近四半期ベースでFacebookは124%,Twitterは146%と驚異的な成長を遂げており,その成長率が今後6ヶ月間維持されると仮定している。

【Facebook/Twitterの普及上限ユーザー数について】 
2009年12月末時点の世界のインターネット普及率は26.6%,利用者人口は約18億人(参考:World Internet Stats)と推定されている。そこから中国の3億人を除く15億人を上限と考えると,Facebook,Twitterともに,2010年のあるタイミングで成長率が鈍化すると考えるべきだろう。

仮に今の成長状態が維持されれば,半年以内にTwitterはFacebookをユニークユーザー数で逆転する可能性がある。しかもツイッターは携帯SMSでの利用を前提とした設計コンセプト(140文字制限はSMS対応のため)になっており,発展途上国への浸透はリッチメディアであるFacebookより有利である点も見逃せない。ちなみに現時点でのモバイル比率は,Twitterが37%,Facebookが25%だ。

2010年,Facebookは満6才,Twitterは満4才の誕生日をそれぞれ迎えたばかりだが,仮に同時に生まれていたら成長性はどうなのか,Twitterの時系列軸を2年ほどずらして成長の軌跡を重ねてみよう。
Fig3
この図を見ると,最初の30ヶ月はFacebookの成長が優位だったが,それ以降Twitterの加速がFacebookを圧倒していることがわかる。創業42ヵ月の時点では,Twitterが82百万人,Facebookは27百万人と3倍以上の差となっている。
 
 
■ TwitterとFacebook,その媒体特性の比較

前述で比較したのは月間ユニーク訪問者数のみだが,実は媒体特性が異なるため,事はそう単純ではない。その点をGoogle Ad Planner推定値をペースにチェックしてみよう。

【Google Ad Plannerの精度について】
Google Ad Plannerの精度には賛否両論あるが,今回引用した平均訪問回数や平均滞在時間についてはGoogleの持つデータでかなり正確な分析ができるはずなので,一定の合理性があると考えている。

2010年3月末時点の訪問者数は次の通り,Twitterは1.8億人,Facebookは4.6億人(推定)だ。
Fig4
まずユニークユーザーあたりの平均訪問回数(by Ad Planner)を比較すると,Twitterの9回に対して,Facebookは34回と遥かにリピート性が強い。その主たる原因としてはTwitterの定着率の低さがあげられるだろう。またTwitterはオープンコンテンツのため非登録者による閲覧比率が高い(実際に2010年3月の月間訪問者は1.8億人だが,アカウント登録者は1億人強にすぎない)ことも起因しているはずだ。
Fig45_2

【参考記事】 課題は定着率?Twitterユーザーの6割は加入1カ月で幽霊会員に(ニールセン調査) (ITmedia)


さらに訪問時の平均滞在時間(by Ad Planner)でも,Twitterの11.8分に対して,Facebookは23.3分と,2倍程度スティッキネスが強いことがわかる。これはFacebookがリッチメディアであること,そして非登録閲覧者率が少ないことに起因すると思われる。
Fig5
 
その結果,最近ニールセンがWebサイト価値を示す最良指標(参考記事:最良の指標は「総滞在時間」、Nielsen//NetRatingsが位置付け見直し)としている「総滞在時間」においては,TwitterはFacebookに遥かに及ばないことがわかる。
Fig6
2010年3月度の月間総滞在時間(訪問者数×平均訪問回数×平均訪問時間)で言うと,Twitterは19(百万分),Facebookは364(百万分)と,20倍近い大差がつく推定結果となった。

さらにTwitterのアクセスは75%がAPI経由である。純粋にTwitter.comとFacebook.comの月間総滞在時間を比較すると,上グラブのように圧倒的にFacebookが上回っていることがわかる。
Fig7
つまり,単純に広告媒体価値としてTwitter.comとFacebook.comを比較すると現時点で76倍もの差があるのだ。
  
 
■ TwitterとFacebook 比較の結論

今回の調査結果をわかった点を箇条書きでまとめてみよう。

  1. 2010年3月での月間訪問者数は,Twitter 1.8億人に対して Facebook 4.6億人
  2. 直近四半期の訪問者成長率は,Twitter 46%増に対して Facebook 24%増
  3. 仮にこの成長率が半年続くと,TwitterがFacebookを月間訪問者数で逆転する
  4. ただし総滞在時間に基づく媒体価値では,Facebookの方が遥かに高い
  5. その主原因としては,Facebookは,(1)リッチメディアであること (2)定着率が高いこと (3)非登録者による閲覧が少ないこと などが考えられる

 
筆者の私見だが,TwitterはFacebookより広く浅く,ワールドワイドに普及するリアルタイム媒体となると考えている。メディアリッチではないため,テレビ等のマス媒体やFacebook,YouTube,ブログ等Web媒体との補完関係が重要となる。また極めてシンプルでオープンな設計思想のため,他のサービスとは競争ではなく協業関係になりやすい。今後は世界をつなぐ対話プラットフォームとして,多様なメディアと連係しながら成長していくだろう。

一方,Facebookは,多様な媒体要素を統合する単体完結型のソーシャルメディアだ。TwitterやYouTubeと連係はできるものの,その機能(マイクロブログ,動画など)自体みずから保有している点が特徴だ。ゲームを含む多様なコンテンツを統合したソーシャル・プラットフォームを目指しており,Twitter,YouTubeのみならず,Google,Apple,専業ゲームメーカーとも次第に競合状態が顕在化してくるだろう。



【関連記事】
TwitterとFacebook,自社公表された最新統計値のまとめ (4/16)   


 

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