企業ツイッター,国内最新動向調査の詳細。導入企業25%,効果あり51%,問い合わせあり35%
4月19日,MMD研究所から興味深いアンケート結果が発表されたので紹介したい。日本における企業Twitter活用の動向調査で,効果まで言及しているものは珍しく,大変貴重な資料だ。
【発表記事】 企業でのTwitter導入に関する動向調査 (MMD研究所,4/19)
■ 調査概要
調査内容: 企業でのTwitter導入に関する動向調査
調査対象: MMD研究所登録会員及びTwitterで募集した一般回答者
調査期間: 2010年4月9日~ 2010年4月14日
有効回答数: 673
調査方法: WEB上でのアンケート調査
■ あなたの会社では企業公式のTwitterを導入していますか?
導入がすでに24.5%というのは驚きだ。現在日本におけるTwitter人口は約700-800万人,人口比では10%未満であり,導入比率で企業が生活者より先行している結果となった。この普及スピードは,利用が無料であること,ホームページやブログに比べてコンテンツ制作に手間や時間がかからないことなどがあげられるだろう。
また日本人一般のTwitter認知度は70%程度との調査結果が富士通総研から出ているが,ここでは97.9%となっている。WEB上の調査なので,ITリテラシーが高い企業が対象になりやすく,実態よりやや多めの統計結果になっている可能性があることは注意したい。
【引用:MMD研究所調べ】
■ Twitterの他に貴社で導入しているものがあれば教えてください。
ホームページの74.7%は別格だが,広報ブログ26.7%に続いてTwitterが第三位についている。日本トップのソーシャル・ネットワークであるmixiの6.8%を大きく上回っている点が注目だ。
【引用:MMD研究所調べ】
■ Twitter導入後の効果はいかがですか?
このアンケート調査のハイライトはこの質問だ。Twitter導入効果があると回答した企業は,「非常に効果が出ている」 5.5%,「それなりに効果が出ている」 45.4%と,50.9%の企業がTwitter導入による効果が出ていると回答している。
日本の急速なTwitter普及を考えると,多くの企業はまだ開始後間もない,実験段階であることが予想される。Twitterは手ごたえを体感しやすいツールと言えそうだ。
【引用:MMD研究所調べ】
■ Twitterを利用し始めてから、どのようなことがありましたか?
Twitter導入後に実際にあった出来事について調査したところ、「Twitter導入後,Twitter経由で顧客から問い合わせが来た」という回答が35.2%に上った。他にも「Twitter経由で取引先とメッセージのやりとりをしている」 17.6%とポジティブ体験が続いた。ただし「自社の利益を損なうような悪口・クレームをツイートされた」というネガティブ体験も8.5%に上り,使い方次第で,プラスにもマイナスにも働くソーシャルメディアの特性が確認された。
【引用:MMD研究所調べ】
■ Twitterを導入しない理由,あるいは懸念されていることは何ですか? (フリー回答)
Twitterは新しいコミュニケーション媒体であり,使い方などがわからないとの回答は当然だろう。その他,コンプライアンスや上司説得などが導入の妨げになっているようだ。
- 必要と感じていない
- (使用する)目的がない
- 有用性・有効な活用法を見出せない
- コンプライアンスやセキュリティ上の問題
- 導入予定・用途を模索中
- リソースの不足(担当者やコスト)
- 上司・上層部に理解がない
なお当掲載についてはMMD研究所の了承を得ている。
またより詳細な調査内容は会員向け無料公開されているので参考にされたい。
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