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プロダクトマネジメントとイノベーション

Amazon EC2の圧倒的な価格破壊力

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Amazonは現地12日、新たな料金体系である「Reserved Instance」を発表しました。1年あるいは3年間分の固定料金を前払いをすると、時間当たりの使用料が三分の一程度にディスカウントされるものです。

科学計算や一時的なサイト利用ではなく、業務アプリや企業Webサイトなどの動作環境として長く使う場合に非常に割安になります。

例えば、当社が扱うSugarCRMなどの業務アプリを数百名の社員で利用する場合、Standard Largeタイプのリソースを長期契約するのが適しています。これは、7.5GBメモリ、デュアルコア2CPU相当、850GBディスクのリソースが使えますが、3年間の固定料金の前払いが$2,000、1時間あたりの追加課金が$0.12です。24時間×365日にわたって使い続けるとして、年間のコストは日本円換算で17万円程度、月額コストはなんとわずか1万円強です。

これ以外にデータ転送量に応じても課金されるので、さらにコストは増えそうですが、業務アプリの場合、夜間はほとんど利用しないことを考えると、概ね、月額で1~2万円のコストで済むのではないでしょうか。

単なるサーバレンタルとは異なるスケーラビリティを持つことを考えれば、圧倒的な価格破壊であると思います。Amazonのクラウドコンピューティングの凄さは、その技術力だけではなく、課金体系を含めたサービスレベルを常に最適化して競争力を維持できるマーケティング力にあると思います。

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