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プロダクトマネジメントとイノベーション

Skypeは失敗だったか?

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昨日、Skypeの親会社であるeBayがSkype事業について14億ドル強の減損処理を行い、併せてSkypeのCEOのZennstrom氏が辞任したというニュースが流れました。強烈な減損です。果たしてSkype事業は失敗したのでしょうか。

Wall Streetは、そもそもeBayがSkypeを買収したときの価格が異常に高かったのであり、今回の減損処理はその失敗を認めたものだ、とバッサリ。記事中では、直近の四半期ではeBayの$1.83Bの売上に対しSkypeは$90Mしか貢献していないと解説しています(約5%)。四半期で$90Mも売り上げていたら立派なもんだと思いますが、eBayの売上からみると役に立たない額であったのでしょう。そういう意味で、eBayにとってSkype事業の買収は失敗だったとは言えそうです。

ところで、同じ記事では、1年半前に公開した同業のVonageが最近の四半期で$34Mの損失を計上していること、そして、VoIPユーザの単価も下がっていることも触れており、ネット電話のビジネスモデルは利益を出すことが難しく、練り直さないとダメだろうという問題提起もしています。

インターネットとコンピュータの結合はさまざまな価格破壊を起こしていますが、あまりにコモディティ化が激しいため、Skypeのような新しいビジネスモデルは常に「変化し続ける」ことが重要なのでしょう。Skype事業自体は「失敗」というより、次のフェーズに進む時期が来たというところでしょうか。

さて、Skypeの旧CEOのZennstrom氏ですが、今後は2006年に自身らが創業したP2Pの動画配信会社Joostにもっと力を入れるとのこと。この変わり身の速さは素晴らしい。

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