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プロダクトマネジメントとイノベーション

オープンソース生き残りの条件

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Coss1コマーシャルオープソースベンダが次々にIPOやBuy-outして資金が潤沢になるのに伴い、「今後のオープンソース」は商業との一体化が避けられなくなりそうです。草の根オープンソースは太刀打ちができません。

「商業との一体化」というとネガティブなようですが、他の経験産業と同じように、これがオープンソースを成長させる秘訣なのではないでしょうか。

ラジオから音楽が無料で聞こえ、それを気に入れば有料で買う。生協で白石さんのコメントに感心し、一冊手元に置きたいと「生協の白石さん」を買う。少年野球に参加するうち、プロを意識して頂上を目指す。

それぞれのコミュニティは、高級サービスを提供するビジネスと結びついて初めてその頂上が高くなり、裾野が広がるようです。

これら「経験産業」では、無料あるいは安価なチラリズムが普及するにつれてそのサービスを体験する人の裾野が広がり、さらに高級なサービスを求めて人々は対価を支払います。

  1. 裾野の広い「コミュニティ」
  2. コミュニティを惹きつける「チラリズム」
  3. 対価にふさわしい「高級サービス」

この3点セットが経験産業をヒットさせる条件だと思います。

高級サービスを作り出す人材、ノウハウ、体制があって始めて「チラリ」は輝き、コミュニティは広がります。潤沢な資金を持つベンダは優秀な人材をより多く抱え、チラリの輝きはどんどん増します。このチラリ(技量)が無く、草の根でボランティアを集めるコミュニティは尻すぼみになるでしょう。

さて、冒頭に挙げたコマーシャルオープンソースベンダは、いずれも企業向けの優れたソフトウェアを創る技量をもち、同時に、その一部を無償でコミュニティに提供することで多くのメンバーを感動させ、フィードバックを得ています。非常に優れた経験産業のモデルを実現しています。

日本の高級サービス志向とものづくりの品質レベルはこのような経験産業にぴったりです。ぜひ、日本発のコマーシャルオープンソースを多く期待したいところです。

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