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プロダクトマネジメントとイノベーション

ITサービス産業のなくなる日は近い

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経産省が定期的に発表している特定サービス産業の動向調査によれば、ITサービス産業(ソフトウェア&サービス)の昨年度の売上げは14.5兆円で、前年比わずか0.2%の伸びとのこと。一般に3%以下しか伸びない市場は停滞市場だと言われます。同資料を見ると、ITサービス産業はこの5年ほど確実に停滞しています。

停滞というのは、儲かっている人と損している人が半数ずつ存在するわけで、IT関係者の半分は仕事を辞めたくなるような陰鬱な気分になっているのではないでしょうか。しかし、これは必ずしもIT業界自身が原因となっているわけではないようです。

Service ちょっと古いのですが、日本経済調査協議会が2000年に発表した「サービス産業におけるイノベーションと生産性」という、たいへん優れた着想の資料があります(左図)。これは、ITを含めたあらゆるサービス産業がR&Dにどの程度投資ているかを国別に示したものです。

一目瞭然ですが、調査国の中で日本は最下位です。今や日本のGDPの6割以上はサービス産業に属していますが、そのサービス産業がR&Dにほとんど投資していないことが分かります。

金融、物流、エンタテイメント、医療、自治体などのサービス産業全体が革新を求めて日々研究を怠らないこと、それがITサービスの需要を生むのだと思います。そのサービス業が投資意欲を持たないことがITサービスの停滞の原因になっているのでしょう。

われわれITサービス産業に属する者は、今後は周辺の各種サービス産業が次々にイノベーションを起こすよう、働きかけてゆかないとなりません。もはや、ITサービス産業などの独立した領域は不要で、それぞれの産業と密接に連携するべきなのでしょう。

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