グローバルIT時代にクリエイターはいかに対応するべきか?を考えます

フォトグラファーによる、MacBook Pro Retina 15inchのディスプレイ性能のレビュー【読了目安: 3分30秒】

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当エントリーをご覧いただきありがとうございます。

フォトグラファーの御園生大地です。



今回は、コマーシャル・フォト 7月号 P77で書かせて頂いた内容とやや重複する部分もあるのですが、重要な話ですのでブログでも書きます。(笑)


現在、私はメインPCとして、MacBook Pro Retina の15インチ を使用しております。


「Retinaディスプレイか。フォトグラファーだから、使用するPCのモニターの美しさも大事なんだろうな。」と思われてしまうかもしれないのですが、実はそこが理由ではなかったりします。


このPCを選んだ理由は、待ちに待ったIPSパネル搭載のノートMacだからなのです。


フォトグラファー、レタッチャーなどの静止画系ビジュアルクリエイターにとって、十分な視野角が確保されていてどんな角度から見ても表示が変わらない、というのは非常に重要です。


液晶モニターのパネルには、TN方式、VA方式、IPS方式という3種類の選択肢があるのですが、静止画のレタッチをきちんとやろうと考えた場合、IPS方式以外のモニターはプロの視点からは正直オススメ出来ません。

理由は、IPS以外のの2方式は、液晶視野角が十分ではなく、極端な話、背筋を伸ばしてレタッチをしている時と、腰を丸めてレタッチをしている時くらいの差でも画面の明るさが変わって見えてしまうからです。


最初は背筋を伸ばしてレタッチ→画面が明るめに見えているので、バランスをとろうとして、ついつい暗めに画像処理をしてしまう。

だんだん疲れてきて背筋を曲げてレタッチ→画面が暗めに見えているので、バランスをとろうとして、ついつい明るめに画像処理をしてしまう。

気がついてみると、同じ条件で撮影した写真が、バラバラの明るさの写真になってしまう…なんてことが本当に起こってしまいます。


しかしながら、IPSパネルが比較的高価であったためか、IPSパネルが搭載されているノートパソコンは、最近までほぼ存在していませんでした。

一方で、最近のノートパソコンの処理能力は非常に優秀で、多くのプロフォトグラファーがメインPCとしてノートパソコンを選択しています。その場合、モニターはどうしているのか?

15万円くらいのIPSパネル搭載外付けモニターを別に購入して、色調整をする場合はそちらの表示を信用する、ということを通常行なっております。(最近は安価で高性能なモニターが登場して半額くらいのモニターでも十分な性能があったりしますが)


そうすると、非常に大掛かりなシステムになってしまうので、気軽にレタッチ環境を移動するということができなくなってしまうんですね。

地方や海外に移動中には、ほぼ最終レタッチはできないということになってしまいます。

ただ、ノートパソコンにIPSパネルが搭載されていないという理由だけでです。


せっかくノートパソコンの性能が上がっているのに、これは不便だなと思っていたので、MacBook Pro Retina にIPSパネルが搭載されると知った時は非常に嬉しかったです。

そこで、慎重にテストを繰り返して自分のワークフローに組み込むことにしました。


それ以来、ずっと使用してみて、「このモニターでも十分最終納品画像の制作はできる」という結論を得ました。

それは、主に以下の3点の結果を考慮してです。


液晶視野角→ IPSパネル搭載なので、十分プロ仕様に耐えうるレベル。

発色傾向→ プロ用モニターのスタンダードであるEIZOのモニターとはキャリブレーション後の発色傾向が多少異なることがややマイナスだが、許容範囲。

画面全域でのグレーバランス→ EIZO製のIPS外付けモニターで言えば4〜5万位になりそうなレベルだろうか。少々色ムラは存在するが、EIZO製の3万円クラスのモニターよりは上の印象。


結果として、プロ用外付けモニターの最高峰レベルの実力よりは当然劣るが、最終レタッチを行う環境としては使用可能なレベルには到達していると思います。

「ロケーションフリーレタッチ」を可能にする革新的ノートPCであるというメリットを考えると、ガンガン利点を使って行ったほうが良いと考え、積極的につかって自らの可能性を広げて行きたいと思うのです。

例えば地方や海外にロケに出ている際には今までは画像処理は全く手付かずであったとしてもこれからはホテルでもある程度レタッチができますし、正確なモニターやプリンターが整備されていないクライアントさんの元へも、このノートパソコン1つ持参してお伺いすれば、目の前で思う存分お望みの色調に仕上げることができます。

(色、という曖昧なものを扱って合意をとるには、同じ空間で細かい話し合いをしながら細部を詰めていくのが一番近道です。)


革新的な新機種が登場した際には、導入に非常に苦労が伴う場合もありますが、なるべく積極的に導入して、クライアントの利益に還元できるクリエイターであり続けたいと考えています。




月1回。1日に更新予定。 「グローバルIT時代のフォトグラファー

(次回は、8月1日のam6:00にアップ予定です。)

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