グローバルIT時代にクリエイターはいかに対応するべきか?を考えます

AdobeCreativeCloudは、クリエイターによる「WORK SHIFT」達成の強力な武器になると思う【読了目安: 4分30秒】

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当エントリーをご覧いただきありがとうございます。

フォトグラファーの御園生大地です。



6月になりました。

既にご存じの方も多いかもしれませんが、

今月、プロフェッショナル用途のデザイン、イメージ、パブリッシング用ソフトウェア製品群である、Adobe Creative Suiteがメジャーアップデートされます。

2003年に「Creative Suite」ブランドが登場して以来、10年ぶりにブランド名が新しくなります。

アップデート後の新名称は、「Adobe CreativeCloud」となります。


今回のアップデートで一番大きいと思われるのは、CreativeCloudシリーズは、パッケージ版や、永久ライセンスの提供が基本的になくなるということです。

CreativeCloud全部入りでも、単体サブスクリプション版でも、月々払いでの課金、ダウンロード購入が基本となります。

(CS6製品群は、永久ライセンスの提供が当面続けられるそうです。)


現状では賛否両論あるこの「Adobe CreativeCloud」が、「Adobeによる未来に向けた勇気ある取り組みである」と私は捉えております。

理由は、「マルチクリエイターによるチーム協業」で制作を行う際に非常に使い勝手が良い提供形態であると感じているからです。



近年、クリエイティブの現場において、複数分野の仕事を請け負うクリエイターが増えてきたと実感しています。

それは例えば、「動画も撮れるフォトグラファー」「ハードなフォトレタッチも行うエディトリアルデザイナー」「写真も撮るライター」「動画編集も行う静止画レタッチャー」といったような人たちです。

その中には、私のように複数の肩書き(フォトグラファー・レタッチャー・3DCGクリエイター)を前面に出して活動している方もいれば、肩書きは1つのままで実質は複数の分野を手がけてらっしゃる方もいます。


そういったことが起こってくる理由は、いくつか考えられると思います。


・まずは、デジタルデバイスやソフトウエアの発達によって、クリエイターが新規分野に参入する際に、徒弟制度の下での長期間の修行が必ずしも必要なくなったこと。

(Illustratorの操作を覚えてデザイン業に進出する、など。ソフトウエア習得スキルがあれば、昔に比べたら新規参入が非常に容易になりました。)


・次に、スピードや価格が重視されやすい世の中全体の流れの中で、例えばプロジェクトの進行途中で突発的にイラストが必要となった場合などに、複数分野を請負可能なクリエイターが重宝される動きが出てきていること。

(マルチメディア時代の今、制作物の形態が多様化しているので、こういった突発的案件に柔軟に対応できることが、以前より必要とされるようになったと感じます。)


・最後に、クリエイター自身がキャリア戦略として、複数分野を習得してリスク分散する動きがあることです。

(iPodとiTunesがCD販売というビジネスモデルを破壊したようなことと似たようなことが、クリエイター分野にもいつ起こるかもしれないリスクが存在するからです。)


そういった中で、CreativeCloudのアカウントがあれば、PhotoshopでもIllustratorでもPremiereProでも自由に使えるので、突発的案件への対応や、複数分野への進出の際に大きな武器となります。

またパッケージ版の際には、制作チームの中でソフトの使用バージョンがバラバラで互換性に苦労することがあったと思います。しかしこれからはCreativeCloud契約があれば、CS6以降の全てのバージョンをいつでも使えるようにするそうなので、制作案件スタートの際にメンバーのバージョンを統一してからプロジェクトをスタートするといったことが容易です。

例えば実際の制作の現場で、サーバー上に制作ファイルを共有して、チームメンバーが統一されたバージョンのソフトで制作を行い作業を進行する。その途中で、急にFlashアニメーションやイラストなどが必要になった時に出来る限りメンバーの誰かが対応する体制をとる。そんな場合にもメンバー全員がCreativeCloudアカウントを持っていればよりスムーズです。



リンダ・グラットンが「WORK SHIFT」 で描いたような、

「世界中に散らばったメンバーがネットワークを介した協業で制作物を作るような世の中が本格的にやってくる

という前提に立った場合、「CreativeCloudの複数ソフトを習得する努力を続けることで、「連続スペシャリスト」への脱皮を図る。」というサバイバル戦略はアリなんじゃないかと、私は考えています。

(もちろん、従来通りの「1つの分野の制作スキルを磨き続ける」という戦略もアリだと思います。しかしその場合は、ITによる破壊的イノベーションによりその分野の市場そのものがハイスピードで縮小してしまうリスクに注意を払う必要があると思います。)




更にAdobeは、「Behance」というクリエイター向けSNSとCreativeCloudの連携を強めていくそうです。

これは、クリエイターによる「WORK SHIFT」後の世界で、「次世代クリエイション環境のハブとしての役割を担っていく」というAdobeの覚悟の現れであるように私は感じています。


未来のことは誰にもわかりません。

でも、私はCreativeCloudの進化にワクワクしています。




月1回。1日に更新予定。 「グローバルIT時代のフォトグラファー

(次回は、7月1日のam6:00にアップ予定です。)

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