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IT業界にどっぷり浸かって40年以上現役です。温故知新。人にとってITとは何かを問います。

IT部門に質問してみよう、なぜうちのシステムは遅いのですか、と

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交通費や会議費などの、社員が使った経費の精算システムが使いにくいのが多そうだ。こういったシステムは毎日やる業務ではないので、遅くても仕方がないとあきらめているらしい。私が、ブラウザベースでできている経費精算のデモを見せることがある。ほとんど「これ欲しい」だ。続いて「うちのは遅くてねえ」だ。IT部門の方はご存知なのだろうか。いや知っているはずだ、自分もそれに関してはユーザなのだから。しかし、基幹業務でないと、なぜこうもなおざりにされるのだろうか。
計算してみよう。あなたは経費精算の入力に毎月何分かけていますか?1件の経費を入力するときに、画面が帰ってくるのを待つ時間を計測してみてください。仮に30秒とします。20件の伝票があれば10分待つことになります。5000人の社員がいると、833時間。一人の標準月間作業時間を160時間とすると、5.2人月となります。これを1件あたり2秒の待ち時間にできれば、待ち時間の合計は0.3人月となり、ほぼ5人月の社員時間が浮きます。
この計算をしてから、なぜ遅いのかとIT部門に質問したらいかがですか。私がIT部門長なら、「ほかにやることがたくさんあって手が回らない。毎月30分くらいのことだからがまんしてください」と逃げるだろう。そのときは、経営の立場に立って5人月浮く話しをしてあげたら「検討しましょう」となるのではないでしょうか。

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