不正接続検知:IntraGuardian最新版リリース
今日は当社のアプライアンス製品である、IntraGuardianの最新版のリリースを行いました。IntraGuardianはネットワークに許可していないPCなどを接続した際に検知し、管理者に通知すると共に、通信を妨害して、不正なデータ持ち出しなどを防止するシステムです。ベータテストを経て関連のある方々を中心にお使いいただいてきましたが、本日、Version 1.2.0として、要望対応や性能改善を行った最新版を発表しました。
IntraGuardianは不正接続対策システムとしてはかなり安い価格を実現しており、1セグメントにつき59,800円です。この値段で組み込みLinuxを使用したアプライアンスですので、つないで電源を入れて、簡単な設定を行うだけで使えます。組み込みLinuxのハードウェアは(株)アットマークテクノのArmadilloを使用していて、この低価格を信頼性と共に実現できています。まあ、それでも儲けはほとんどありませんが。
8月20日からのSecurity Solition 2008でお披露目します。是非ブースにお越しください。
さて、宣伝はこんなところにして、この製品に関しては、元々は当社の高性能DHCPサーバであるProDHCPを有効活用できないかということで、不正接続対策に使ってみようということでプロトタイプを作り、自社内で2年近く運用し、製品化を検討してきたのですが、IT関連製品では無名の当社が販売するには、設定が複雑なDHCPサーバとクライアントのセットでのシステム販売は規模的になかなか難しいだろうと悩み、結局クライアント側にユーザインターフェースを実装し、組み込みLinuxを使ってシンプルで安価に使えるものにしました。その後、ベータテストや貸し出し評価を経て、統合管理も必要となり、最新版ではシンプルな管理ツールを無償提供することにしました。
もともとは私が一人でプロトタイプを作って進めていたのですが、製品化にあたり、チームリーダーのY君が開発した、組み込みLinux向けWEBシステムフレームワークのyacafe(オープンソースで公開)を使ってWEBユーザインターフェースを実装し、防御性能に関してもメンバーのT君やY2君が試行錯誤を重ねて、テストではA君が厳しい確認を行い、自信の持てるレベルに仕上げてくれました。
製品として販売するために、メンテナンスやサポートも十分考慮し、システム自体の対策や、ドキュメントの整備、サポートサイトの整備などを行いました。
評価いただいたお客さんには間違いなく気に入ってもらえているのですが、やはり現状一番の悩みは販促活動です。OEM供給のお話しなども進んでいますが、まずは自分たちで実績を示せないと難しいだろうということで、知り合いの方々を頼って教えていただきながら進めてきました。今回のほとんど儲けのない価格設定は、情報セキュリティ対策のコストを少しでも下げることで社会貢献したいという思いと、開発販売に対するチャレンジという思いがあります。
当社はゴルフ練習場システムでは長年の実績がありますし、プリント基板設計用CADシステムの販売や、WEB負荷テストツールのSADEE2の販売などの実績がありますが、いずれも対象が広いものではなく、専門性が高いものでした。不正接続検知はIT業界のみならず、情報を扱う全ての組織や、自宅で仕事をする方など、非常に対象が広いものです。受託開発などで相当大きなシステムの核になる部分を提供してきたりもしていますが、表に社名がでるような機会が少なく、今回のような広い対象に向けた製品販売にはメンバーも熱い思い入れがあるのです。
メンバーが、製品開発販売にチャレンジしたい、今後の事業としてきちんと立ち上げたい、という熱い思いで取り組んできた成果が楽しみなところであると同時に、今回の経験をもとに、さらに次に向けてのチャレンジを期待したいところです。