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ソーシャルメディアをWeb解析の視点から捉え直す

インサイトでFacebookページを活性化(2)定点観測

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インサイト機能やAll Facebookといった解析ツールを使って活発なFacebookページを作るための考え方を探っていきます。今回は定点観測の考え方とレポートの作り方についてです。

前回のおさらい
まず前回のおさらいです。前回のエントリでは、指標と目標値の設定方法について書きました。

○指標と目標値設定方法:
ファン数:ファン数を増やす
目標値設定方法:Webサイトへの流入数との関係や競合のファン数を調べ、「この期間でこのファン数を獲得する」という目標を設定する。

ファンのアクティブ率:Engagement Rateを目標値以上に保つ
目標値設定方法:平均値や競合の数値を参考にする

インサイトでFacebookページを活性化(1)目標の設定:グラフカタリスト:ITmedia オルタナティブ・ブログ

今回はここで設定した目標値をどう観察し、レポーティングまで落とし込むかを考えます。

定点観測とレポートの種類

Web解析の用語でもよく目にするのが「効果測定」という言葉です。Web解析≒アクセス解析≒効果測定、と思われている節もありますが、Web解析には目的に合わせて色々な種類があります。特に利用されるのは以下の3つです。

1.定点観測
2.改善策の検討(課題と仮説の発見)
3.効果測定

参考:分析レポートは4つに分けて考える。

定点観測では、日常のアクションが目標値に対してどの程度影響を及ぼしているか、その進捗を見ます。常に予定通り進捗すれば問題ないのですが、そんなことはあり得ません。進捗が思わしくないときが必ずあります。そのとき、何が問題でどうすれば解決できるのか、原因と解決方法(の仮説)を発見するための手法が2番目です。そこで発見された解決手段を実施したうえで、本当に狙い通りの効果があったのか検証するプロセスが3の効果測定となります。

今回はFacebookページのファン数とEngagement Rateについて、目標値に対する進捗度合いを測る定点観測のレポートについて考えます。

想定する定点観測レポート
ファン数とERについて、目標値に対する進捗を確認するのに必要なデータは何でしょうか。逐一検討しているとまた文字数があふれるので、最初に想定レポートの形を出してしまいます。

ファン数の定点観測

Fan_report_3

上の図はファン数が200人のFacebookページを30日間でファン数500にまでするという目標を立てた場合のレポートです。デイリー進捗を見ていますが、もっと長期間に渡って観察する場合、週・月ごとに見ても良いと思います。

色々と数字を書いていますが、一番重要なのは日別の「必要獲得ファン数」です。前日までのファン数と目標値、残り期間をもとに、その日どれだけファン数を獲得する必要があるのかを算出しています。これをもとに日々のアクションを決定していきます。

ここに載せているデータのうち、Facebookページのインサイト機能で必要なのはファン数のデータだけです。デイリーならば手で記録した方が早いかもしれません。週ごと、月ごとで見ていくと、エクスポートしたデータが活躍します。

Engagement Rateの定点観測

Er_report

ファン数が積み上げの数字な一方、ERは割合です。そのため複数の数字が構成要素として影響します。ERを算出するのに必要な数字は

・累計ポスト数
・累計ファン数
・累計リアクション数
です。ここに現在のファン数における平均値等、目標になる数値を加え、そことの距離を測っていきます。

ここでは改善策を探る際に参考にする数値として、

・ファン1人あたりのリアクション数
・1ポストあたりのリアクション数

も記録していきます。数字が上がったり下がったりしたとき、何が要因なのか仮説を立てるのに役立ちます。

まとめ
今回はファン数とEngagement Rateを定点観測するためのレポート作りについてまとめました。「インサイト」やサードパーティの解析ツールから取得できる数値のうち、利用した数字は

○ファン数定点観測
・累計ファン数

○ER定点観測
・累計ファン数
・累計リアクション数
・累計ポスト数(インサイトからは取得できない)

だけです。

これ以外にも
・目標達成率
・必要獲得ファン数
・ファン1人あたりのリアクション数
・1ポストあたりのリアクション数

といった数字を使っていますが、これは目標値さえ決まっていれば、あとはエクセル等のツール内で計算可能です。

前回少し長過ぎたので、今回はここで次回にまわします。次回は定点観測の数字から、どういった施策が検討できるのかを考えます。

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