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ソーシャルメディアをWeb解析の視点から捉え直す

インサイトでFacebookページを活性化(1)目標の設定

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Facebookページの作成、運用目的はさまざまです。今回はファン数を増やし、かつファンからのリアクションを高く保つ運用方法をウェブ解析の視点から探ります。

急いでいる人のためのまとめ

目標:ファン数を増やし、かつファンのアクティブ率を一定以上に保つ
指標は2つ:
ファン数:目標値と期間を設定し、適切な増加率を算出する。先行する競合がいる場合、その増加率より上の数字を設定すること。

アクティブ率:Engagement Rate (1投稿あたりのリアクション数÷ファン数×100)を観察する。競合やファン数ごとの平均値から、目標値を算出し、そこへの到達または数字の維持を目指す。

ファン数とアクティブ率を指標とする。

今回主に利用するのはFacebook内部にある「インサイト」機能です。インサイトはFacebookページとファンの間にあるさまざまな情報を、数字で示してくれます。 またこれに加えて「All Facebook stats」 というツールも使います。

いずれも取得出来るデータは多いのですが、種類が大変多く何をどう見たら良いのか迷います。インサイトに限らずアクセス解析ツールは多くのデータが取れますが、大方必要なデータはごく一部です。今回は目標とその達成度合いを測る指標を決めて、その指標を満たすためのアクションを設定し、そのアクションの成否を測るための指標を設定し……というプロセスで進めます。
「活発なFacebookページ」の定義は色々あると思いますが、ここでは以下の目標と、その達成度合いを測る指標をひとまず用意します。

1.ファンでないユーザーをファンにする:ページのファン数
2.アクティブなファンを増やす:ファンのアクティブ率

ファン数はもう言うまでもありません。何をするにしても分母は大きいほうが良いです。
2の「アクティブ」とはFacebookのインサイト機能内での定義に基づきます。つまりそのFacebookページの投稿を見たり、いいねやコメントなどのリアクションをしたユーザーを指します。ファンの中で、きちんとFacebookページの活動が届いているユーザーの割合です。

ファン数、アクティブ率いずれも、まず目標値を設定します。でないと数値の増減に一喜一憂したり、漫然と数字の推移をみて無駄な時間を過ごすことになるからです。目標値を設定せずにWeb解析のデータを見ることは、目的地を決めずにコンパスの指す方向に振り回されて大海原を奔走することと同義です。いつか船は腐り水と食料は尽き果てます。

インサイトの準備

目標を設定する前に、現在のファン数とその増加率を知る必要があります。自分が管理しているFacebookページにアクセスして、右にある「インサイトを見る」をクリックします。

Insight_right_2

インサイトの画面からは色々な数字が分かります。他のデータと組み合わせたり競合と比較したりするので、ひとまずここは画面右上の「エクスポート」から、期間を指定したうえでデータをExcelファイルとしてダウンロードしておきます。大概のデータはこのExcelファイルの中に入っています。今回使うのは「通算 合計いいね!数」と「1日の いいね!とコメントの数」です。あとはひとまず置いときます。

ファン数の目標値を設定する

ファン数の目標値は、Facebookページの用途によって異なってきます。Facebookページを、自社サイトへの誘導手段として使っている場合、ファン数と自社サイトへの流入数の関係を洗い出し、相関があるようであれば、そこから必要な流入数をまず決め、その流入数に対応するファン数を目標値として設定します。ここら辺は先ほどエクスポートしたファン数とエクセルの機能を使って、回帰分析で出せます。

手軽なのは、先行している競合のFacebookページを見つけ、そのファン数を目標値とすることです。たとえば競合のFacebookページが直近一週間で 10人増加/day、一方あなたの管理するFacebookページが5人増加/dayだとします。このままのペースだと、あなたがディスプレイの前で「一週間で35人も増えた!」と喜んでいる間に競合はその倍ファンを増やしています。放っておいても彼我の差は開くばかりです。

競合のファン数増加率を見るには上記のAll Facebook statsが便利です。
https://www.allfacebookstats.com/
詳しい使い方は @ryuka01 さんの以下のエントリが大変参考になります(ryuka01さんは他にも手軽に試せるアクセス解析の手法をブログに書かれています。購読をお勧めします)

競合のFacebookページも簡単に分析できちゃう「All Facebook」を使ってみよう!無料

いずれの場合も、必要なのは目標数とそれを達成する期間です。日別・週別・月別の必要な増加数(増加率)が分かります。競合のファン数を目標値に設定した場合、この増加率が競合より高ければ目標達成は時間の問題です。低かった場合、また競合を目標に設定していなくても、目標の期間までにファン数達成の見込みがない場合、何らかの施策が必要です。

アクティブ率の目標値を設定する

アクティブ率は目標の設定が難しい指標です。インサイトでは「月間/週間/1日のアクティブユーザー」といった数字が出ています。これらはそれぞれのスパンで、Facebookページの投稿を見たりリアクションしたユーザーの数です。しかしこれらは競合の数字を取得できません。またページの更新頻度によっても異なります。ファン数同様、自社Webサイトへのアクセス数とアクティブ率の相関が強い場合、それをもとに目標値を設定するのが良いでしょう。ただしアクティブ率が何を指すのか分解していくと、別の(下位の)指標も見えてきます。

ここまでの話を図にすると以下のようになります。


Facebook_active

1は先ほどのファン数の話です。2のアクティブ率について少し詳しく見てみます。非アクティブユーザーのうち、Facebookに対してそもそもアクティブでなくなってしまったユーザーはどうしようもありません。いつかどこかで会えることを祈りましょう。
Facebookを使い続けてなお非アクティブなファンはどういうユーザーでしょうか。前述の通り、アクティブユーザーの定義には「投稿を見た人」が含まれています。FacebookにアクティブかつFacebookページに非アクティブということは、こちらの投稿がそのユーザーのストリームに反映されていないことになります。この原因はざっくり2つに分けられます。

1.投稿タイミングとあってなかった
深夜二時にだけ投稿するFacebookページがあった場合、アクティブ率はあまり高くなさそうです。もしくは海外のファンが多い場合、時差を考慮せず投稿するとこうなるかもしれません。

2.エッジランクが低い
Facebookは、投稿をユーザーのストリームに反映する際、Facebook側で機械的にフィルタをかけ、表示するものしないものを分けています。この基準はエッジランクというFacebookページ独自のアルゴリズムによって算出されています。
詳しくは以下のページを参照下さい。

Web解析ツールのニュースFacebook News Feedの記事を選ぶEdgeRankアルゴリズム–F8で相当詳しく説明

これだけは覚えておきたい!Facebookの「エッジランク」の3要素と、各要素の優先順位

ここではこのエッジランクを上げる要素として、ファンからのリアクションに注目します。いいね!やコメントが多ければ、より多くのユーザーとの親密度が上がり、より投稿が表示される確率が上がる、と考えます。図の3にあたります。

リアクション率をファンとの親密度を測る指標として利用する場合があります。そのものずばり「Engagement Rate(以下ER)」と呼ばれています。
Engagement Rate= 1postあたりのリアクション数÷ファン数×100
テストに出るかは分かりませんが、どこかで役に立つかもしれません。1ユーザーが次のpostに反応してくれる期待値とも言えそうです。単にリアクションが多くてもファン数の割に……という可能性もあるので、比較を容易にしてくれる数字です。
アクティブ率を上げていくには、このERを観察していくのが良さそうです。こちらは一応競合との比較も可能ですし、以下からファン数のレンジ別平均ERも分かります。半年前のデータですが、大きくは変わらないでしょう。

What is a good Engagement Rate on a Facebook Page?

ひとまずこのレンジ内に収まっているか確認し、これ以下であれば上げるための施策を考え、上回っていればそれを維持する方法やERが高い理由を考えてみると良いでしょう。FacebookページのERを確認する方法ですが、必要な数字は公式からも分かる通り以下の三つです。

(任意の期間における)投稿数
(同)リアクション数:いいね!+コメントの数
(ER算出時の)ファン数

これらを時系列に確認できて、かつCSVなどローカルに落とせるツールがあると良いのですが、フリーではこの条件を満たすものがありません(是非教えてください)。Facebookインサイトは投稿数が分からないからです。ということで、手は以下の3つくらいです。

1.Facebookページでの投稿数を日別に手でエクセルなどに記録し、Facebookインサイトの情報と組み合わせる。
2.All Facebook等、サードパーティツールを使う。
3.おとなしく有料ツールを使う。
4.自分でツールを作る。

1.はそのままです。日別の投稿数を手動で記録しておき、Facebookインサイトからデータをエクセル形式で落として、ファン数・リアクション数のデータと合わせます。http://www.facebook.com/insights/ もしくは当該のFacebook ページ右カラムからインサイトにアクセスし、右上から期間を設定したうえで「エクスポート」をクリックします。そうすると色々な数字の詰まったエクセルファイルが落とせるので、ファン数とリアクション数の数字以外はばっさり捨てて投稿数のデータと合わせます。少々手間ですが、競合との比較を意識せず、上に示したアベレージまで持っていくのが目標であれば、こちらが良いかと思います。

2.は少々厄介です。All Facebookの他にも、ERを直接算出してくれる「Facebook Engagement Check Tool」という便利なツールもあります。しかしCSV等に落とすことはできないので、日々手動で記録していく必要があります。また競合の比較はできません。

All Facebookは無料版の場合、データを加工可能な形で落とせません。いいとこ画像です。自社サイトへのアクセス数など他のデータと組み合わせて活用することができません。しかし競合との比較をしたい場合、これに頼ることになるでしょう。利用する場合の手順は以下です。競合のファン数推移を確認するのと同じ要領でFacebookページを登録し、メニューの「Interaction/Content」から右上に「Interaction average per post」というそのまんまなグラフが見えます。これで一応、1投稿あたりの平均リアクション数が分かります(日別・週別などの粒度は場面上「Interval」から変更できます。変えた後に右の「Refresh」を押すのを忘れずに)。この数字に、「Fans」のページから分かるファン数の推移データを組み合わせて、ERを出します。

いずれも少し手間がかかります。基本は1で進めて、競合については1より低い頻度でAll Facebookを使ってチェックしてく、というのが良いかもしれません。Hootsuiteなどを使ってTwitterと投稿を同期させている場合、「Twilog」などを使うと投稿数の記録ができるので、それを経由させてFacebook側への投稿数を把握するのも良いかもしれません。

3ができれば言うことはありません。4はAPIを見たのですが「なぜこの数値が取れない?」というのが多くて厳しいように思えます(All Facebookは数字の動きを全部自分のところに溜め込みそれをチャートとして吐き出しているようです)。

ここまでのまとめ
長くなったのでいったんまとめます。活発なFacebookページを作るためにやるべきことのファーストステップとして、目標設定について書きました。

目標を設定する方法
ファン数:目標値と期間を設定し、適切な増加率を算出する。先行する競合がいる場合、その増加率より上の数字を設定すること。

Engagement Rate :1投稿あたりのリアクション数÷ファン数×100で算出。競合やファン数ごとの平均値から、目標値を算出し、そこへの到達または数字の維持を目指す。

次は数字のモニタリングと変化を起こすための施策検討です。そして現時点ですでに5000字近くなっているため、次に回します。お待ちください。

出来ました。

インサイトでFacebookページを活性化(2)定点観測

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