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ソーシャルメディアをWeb解析の視点から捉え直す

Gumroad searchの危うさ

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話題のGumroad ですが、Gumroadの商品ページを検索できるGumroad searchという外部ツールが作られました。しかしこのGumroad search には、Gumroadがギリギリ保っていた「商品と売り手の繋がり(の正当性)」をかき消してしまうという危うさがあります。

Gumroad の仕組み

Gumroad はもともと「商品に1つURLを与える」機能しかありません。新着商品の一覧や、人気ランキングなど、売り手のプロモーションになるような機能は持っていません。

そのため、ユーザーが商品を売るためには、以下の手段でページを広める必要があります。

・検索
・ソーシャルメディア
・既存のサイトにリンク

検索からのアクセスはGumroadの構造的にあまり期待できません。Gumroad内部でリンク関係を構築してくれないからです。

既存サイトからリンクして、擬似的なECサイトを作るのはありかもしれません。ただまとめ買いが出来ないなど、点数が増えたときの問題点もあります。

一番向いているのはソーシャルメディアです。上記のようにまとめ買いが出来ないため、細切れに商品を宣伝しなければなりません。TwitterやFacebookといった、フロー型のソーシャルメディアはGumroadのプロモーションにうってつけです。

Gumroad 内部で完結することの危うさ

Gumroad は当初から著作権違反を促す危険性が指摘されていました。自分の創作物でないデジタルデータを販売できてしまうからです。

ただ上記のように、実際に売るためにはソーシャルメディアなり既存のサイトなり、売り手と商品を結びつける外部の存在を経由する必要がありました。しかしGumroad searchは、Gumroadという世界の中だけで売り手と買い手を結びつけるので、売り手と商品の関係性は分からなくなります。ここにGumroad searchの危うさがあります。

Gumroadsearch

アイコンを表示させるだけでも違うはず

冒頭から「危うさ」という曖昧な言葉を使っているのは、そもそも違法行為を引き起こす危険性がGumroad本体にあるからであり、searchはそれを加速させるかもしれない、程度の話でしかないからです。

のでGumroad側で、もっと売り手と商品の関係性を可視化するなどの改善が望まれます。売り手のTwitterやFacebookのアカウント、アイコンを商品ページに表示するだけでもそれなりに効果はありそうです。

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