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PHSに支えられた時代、PHSを活用した時代、各社の撤退、そして経営破たん。 頑張れウィルコム!!

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2010年2月18日、また1つの歴史を作ってきた企業が経営破たんをしてしまい、記者発表を行いましたね。

2010/02/18 かさむXGP投資、PHSとの両立が難しく――ウィルコム 久保田氏
ウィルコムの代表取締役社長を務める久保田幸雄氏が会見を開き、会社更生法申請の背景と今後の再建策について説明。XGPへの投資がかさみ、PHSサービスとの両立が難しくなったためだという。

http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/1002/18/news090.html

思い起こせば1996年の最初のベンチャー創業時期、フィールドに出ている時間も多くて、お世話になったのは、携帯電話に比べてはるかにやすいPHSでした。

外出先で、受注元、サーバベンダーやソフトウェアベンダーとやり取りしながら、構築したりしていたことが、とても懐かしく思われますし、当時の携帯電話の料金であれば、スタートアップ時期の小資本でしたから、使えなかったでしょう。

PHSをデータ通信に使うようになったのは、そこからしばらくして1997年のPIAFSによる32kbps・64kbpsへと進化する過程の頃だったかと思います。

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2000年代に入り、定額のサービスが提供されるようになり、真に『活用』できる時代が来たと、いくつかの事例に関与して思いました。

1つは、羽田空港の第2ターミナル拡張をやっている工事現場です。
劣悪な環境であり、通信設備もろくに整わないようなところで、工区に入る作業員の入退場を管理したいという案件が、大手ゼネコンからあり、バーコード付きの入館証を作業員に交付し、入退場にスキャンする、接続されたPCからはPHSでそのスキャンしたデータをゼネコン側に飛ばして、リアルタイムの入退場管理ができるというもの。

こういった工事現場は、人の出入りをアナログに管理せねばならず、警察などからも調査に入られる事があるようで、このゼネコンさんの工区にも、図らずしてチェックにやって来られたとのこと。

通常は、アナログから調査結果をまとめて提出するのに数週間が掛っていたわけですが、これをリアルタイムに管理しているということで、数日でレポートしたところ、大そうほめられたそうで(通常は、遅いとか管理で来ていないと怒られるものらしいです。)、このシステムの担当者が社内で賞を頂いたとか。

それもこれも、PHSの定額通信でこのエリアがカバーされていたからこそですね。

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もう1件ありますが、大手電機パーツメーカが、年に1度、都内のホテルの宴会場を借り切ってのプライベートショーでの事例です。

その当時、営業の方が、自身の顧客が来場された際に、ささっと出迎えに行きたいけれども、なかなか対応できない。 他のお客さんにアテンドしていると、完全に見逃してしまうというような課題・問題がありました。

そこで、お客様の来場をバーコードスキャンで受け付けて(今ならICタグでも良いんですけどね)、スキャンされた情報を会場に設置したサーバが受取、更に、通信環境が整っていないホテル宴会場だったので、活躍したのがPHS回線を接続可能にする、日新システムズさんのH" PORT(エッジポート http://www.co-nss.co.jp/products/network/lanbase/hport/hport-top.html )でした。 そうそう、この商品名がどうしても思い出せずに、1日が経過しての本日ブログ掲載となりましたが、日新システムズさんは、評価機を継続的に貸して頂いたので、本番機と併せて、障害対応できる体制が取れて助かりました。

これに、PHSカードを2枚さして、会場にリピーターも入れて(たぶん)、営業マンに配布したPHSにメール送信。(個人のケータイだと、通信費はどうなるのといった問題がおきるので、廉価な古い端末を用意して頂き、助かりました)

営業マンの控室には、来場を検索するPC端末や、画面上にリアルタイムに情報を流す準備もしていましたが、接客・席はずしなどのタイミングに、重要顧客が来たらという対策として、PHS端末とサーバに繋いだPHSが、大活躍をしたという次第です。

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近年、イーモバイルにより、データ通信市場が一気に流れていってしまったこと、大変だったかと思います。(私も、乗り換えてしまいました。 ごめんなさい。)

ニュースをみても、次世代のXGPとPHSの併行が、経営を圧迫したということが書かれている一方で、『ナローバンド市場に可能性あり』と話されています。
学生向けの廉価な通信+企業製品・サービス用途(カーナビやエレベーター、ATM、PCセキュリティソリューション)という2つの市場・対象での活路を見いだせればということです。

私も、前述のような経験も含めて、後者の企業向けにおいては機器・デバイス・運用・保守の通信というPHSが生き抜く場所で強みを発揮できそうであると、思いますし、是非とも本格的なマーケティングを再開して、500万・1,000万と人以外も含めた回線利用増加を目指して頂きたいと、期待しております。

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最後に、「期待してます!」と言ってノーアイデアでは、エールとしていまひとつなので、1つだけ、アイデアというか、実ニーズがあるのではと思うところで。(既にかもですが)

私的には、遠隔地や人が入れないような場所、大量のカメラを配備したいけれども、構内LAN・WANを圧迫させたくないような向上などでのサーベイランスカメラ(監視カメラ)として、H.264をベースとした高画質の動画・静止画を送るような仕組などにも、適用可能性があるのではないかと、勝手に想像しています。
(できれば、低消費電力の小型モジュール化されていると、カーナビ実装の携帯電話通信モジュールと同様で、より良いと思うのですが、そんな開発コストも掛けられないでしょうから、贅沢は言わずに。)

数多くの監視カメラソリューションベンダーやMS-Silverlightのような動画・画像ソフトとの組み合わせとか、プロトタイプコストさえも抑制しながら、営業推進することも可能でしょうし、、、ウィルコムさん、如何でしょうか?

貴重なインフラ企業です。 がんばって下さい! です。

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