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戦いは数だよ、兄貴!スタートアップ企業に約1500万円のクラウド無償枠

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「戦いは数だよ兄貴!偉そうにふんぞり返る前に勝つための手だてを!」とドズル中将が指摘するまでもなくマイクロソフトはその重要性に気づいている。
以前よりスタートアップ企業に提供していた、BizSparkという起業支援プログラムの上位版、BizSpark Plusの無償枠を$60Kから$120Kに倍増、円ドル123円換算で1,476万円の物量にものをいわせた太っ腹大盤振る舞い支援プログラムとなった。(本社発表 | 日本発表

これに伴い、申し込みや利用方法も変更になっている。

BizSpark Plusを利用する場合、従来は日本であれば我々スタートアップ企業支援チームが社内の推薦ルートで申請し、都度本社承認をとっていたのだが、7月以降は、我々が全幅の信頼をおくパートナー企業・団体にその発行権限を委譲することになる。日本では下記のパートナーが実施しているアクセラレーションプログラムや、各種支援施策に採択されている企業を対象に、BizSpark Plusをご利用いただけるようになる予定であり、他にもいくつか準備中だ。

bizsparkpluspartners.jpg

従って、BizSpark Plusをご利用いただくには、我々ではなく各種アクセラレーション、インキュベーションプログラムに応募いただくのが近道となる。

例えば、EdTech分野のスタートアップであれば、教育に特化したアクセラレーションプログラムを提供しているVilling Venture Partnersに応募し、採択されることを目指すことでBizSpark Plusの利用権を手に入れることができる。

また、エンジニアの採用ができていないビジネスアイディア先行チームの場合、2ヶ月でMVPレベルのアプリ開発をequityと引き替えに一緒にやってくれるtechfundに相談してみるのがよいだろう。投資家向けDemo Day終了後のプログラムの卒業時にはBizSpark Plusの権利が与えられ、その頃には優秀なエンジニアを採用できているに違いない。

すでにある程度のシステムができているが、Azureの無償利用枠を提供されてもその使い方がわからない、使いこなせるエンジニアがいないという場合には、ISAOをご紹介させていただくことになるだろう。Azureをベースとしたバックエンドの開発支援や他のクラウドからの移行支援を、くらまね for Azureというマネージドサービスを通じて支援してきた経験豊富なエンジニアが実施してくれることになる。その技術力を継続的に頼りにしたい場合には、開発依頼や監視サービスを有償で引き続き利用することもできる。

無償利用枠が小さい従来のBizSpark(無印)はWebサイトからこれまで通り申請いただける。我々のチームで不正利用でないことを確認し、承認作業を行っている。このオペレーションは今後も変わらない。ここ数年スタートアップを志す方々が増えてきている中で、以前は会社として登記するまで承認しないという時期もあったが、今ではその基準を大幅に下げ、大手企業に在籍している間にビジネスアイディアをあたため、ハッカソンやアイディアソンで仲間を見つけ、プロトタイプ開発を行い、ある程度目処がついてきてから退社して登記するという流れの中でも、初期の段階からご利用いただけるようルールを一部緩和して運用しているので、起業を将来的に志す方はお気軽にご連絡いただきたい。

とはいえ、起業したてでサービスもまだ大きくなっていない段階で、そんなに大きな金額の支援が必要か?という疑問もあるだろう。ひとつには、急激にビジネス規模が大きくなるであろう有望スタートアップの発掘、育成を、アクセラレーションプログラムを実施する団体と一緒に行うことで、多くのクラウドリソースを余すところなくうまく活用してくれる成功確率を高めようとしている。

また、効率的な設計や運用を意識することなくスピード重視で開発を押し進める際にも、絶対この金額以上は使わないであろうという安心感は役に立つ。多少効率の悪い挙動をするアプリを開発したとしても、クラウドリソースを大量配備すれば、データ整合性を除いて問題をあらかた解決できる。例えば、将来的にマルチテナントを目指すSaaSベンダーであったとしても、お客様の数がある程度になるまでは、BizSpark Plusの範囲内でいくらでもシングルテナント用のインスタンス群を立ち上げることができる。ディスクIOにせよ、ネットワーク帯域にせよ、性能をカネで買える時代に、カネをもっているのは技術チームにとって有益であると考える。

さらに、IoTデバイスからの大量ログデータを分析する機械学習のような仕組みを本格的に実現しようとすればある程度のデータソースが必要であり、まずは分析系から、という方々でも、Azure Machine LearningやHDinsignt、ストレージサービスなどを利用したPower BIダッシュボードをつくりあげることができる。

とはいえ、圧倒的に有利なのは議論の余地なく動画配信である。広告やメディア、SNSだけでなく、教育や医療分野などにおいてもYouTubeではサービスを成り立たせられない状況は多く、有償の動画CMS構築などは価格と専門スキルのあるエンジニア採用などの観点から手が出せないことも多い。Azure Media Servicesをコアにしたアーキテクチャにすることで、エンコーディングからCDNを利用した配信までBizSpark Plusの無償枠を活用することで効率的に(ほとんどのケースは追加のクラウド費用なしで)構築、運用することができるだろう。

クラウドリソースを大量消費しないとサービスが成り立たないサービスをお考えであれば、利用しない手はない。

冒頭の、「戦いは数だよ、兄貴」と言うドズルのセリフにはその前の部分の会話がある。
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ギレン「地球連邦は、ソロモンに速攻をかけてくる確立のほうが高い。しかし案ずるな、ドズル。ニュータイプを投入する手立てはついているのだろうが?」
キシリア「無論です。多少テストは残ってますが...グラナダからの増援も可能な限り出しましょう」
ドズル「ア・バオアクーだよ。ア・バオアクーの戦力を今すぐ振り向けてくれればいい。間に合う」
ギレン「振り向けるよ。出撃準備をさせている。それよりもだビグ・ザムを送っておいたはずだ あれ一機で2,3個師団の戦力になる」
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という一連の会話を受けてのドズル中将による「戦いは数だよ、兄貴!偉そうにふんぞり返る前に勝つための手立てを」の発言である。

圧倒的な攻撃力とビームを無効化するiフィールドを擁するMA-08ビグ・ザムを量産できた暁には...というifは確かに存在するが、製造コストと消費エネルギーが大きすぎるビグ・ザムの量産は実際問題かなり難しく、他のユニットを量産した方が戦略的に効率的なことのほうが多い。このあたりのトレードオフのセンスがない方はギレンの野望をプレイしてみることをお勧めする。

目的を見失わず、市場の声に耳を傾け、正しいことをやろうとしているときの連邦軍(マイクロソフト)は強い。

AWSとAzureの熾烈な戦いに疲弊し、マネジメント的な立場で現場に出る機会が減っている私が、マイクロソフトに留まっているのは、スタートアップ支援のためにマイクロソフトが持つリソースを解放することに正義を感じているからに他ならない。

Microsoft Ventures Tokyo Acceleratorをはやく立ち上げて欲しいというご要望は多数いただくし、私ももちろんそのつもりではいるのだが、今回の方針変更などもあって少々時間がかかりそうなこともあり、一見遠回りとも見える搦め手でその道を目指すことにした。

イサゴの野望、逆襲編の地球圏制圧に向けた第一歩として引用した、「戦いは数だよ」の「数」は今回発表した無償提供価格上限変更のお知らせにおける「金額」の大きさを意図したものではない。協業を押し進めるアクセラレーターやインキュベーターのパートナー企業と一緒になって、急成長するスタートアップ企業を効率的に発掘、育成、量産することにある。今回の発表で、より多くのスタートアップ企業やその予備軍のみなさまが、マイクロソフトだからこそ提供できる価値の本質に気づき、パートナー企業も含めた我々に、これまで以上にお気軽にご相談いただけるようになることを期待している。

なお、詳細については6月25日(木)開催のMicrosoft Innovation Award 2015のイベントでご紹介させていただく予定だ。すでに一般観覧満席となっているが、今後のマイクロソフトからのスタートアップ企業支援に関する情報発信に注目し続けていただきたい。とりいそぎ相談したいという方はこちらまで。

※ドズル・ザビのネタでいこうと思いついたのは「戦いは数だよ、兄貴」のセリフより前に、発表元の弊社CVP(エライ人)であるSteven Guggenheimer(通称:guggs)のルックス、勢い、キャラ設定が似ていたことによるという事実はおそらく翻訳サービスを使っても本国には理解されないと思うのでここに告白しておく。ちなみにボツ案はBizSpark(無印)→BizSpark改(旧Plus $60K)→BizSpark改二(新Plus $120K)という艦これ的なメタファ。

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