今日から7月。マイクロソフトが全力でクラウドにシフトするFY11スタート!
IT業界関係者の方はご存知かもしれないが、マイクロソフトの会計期は6末締め7月始まり。
というわけで、7月からは気分も新たに新しい年度のスタートとなる。今会計期はFY11。
私はあまり組織でカチッと枠にはまって仕事をするタイプではないので、組織変更や
目標設定、予算管理などは基本的に全く興味のわかない「事務作業」でしかないのだが、
期初計画に盛り込んでいないゲリラ戦が展開しにくい「ザ・連邦軍」なここマイクロソフト
においては完全に無視するわけにもいかず、ここ数週間はマジメなサラリーマンのフリを
しようと思ってみたり。我ながらオトナな対応だ(対自分比)。
組織の話とかをあからさまにブログで書くのは情報管理上よろしくないし、そもそもブログ
読者のみなさまもあまり興味もないと思うので、いさごの周辺=Azure周辺で起こりつつある
変化にフォーカスしていくつかトピックをご紹介したい。
■Azureの製品担当を移管
これまで、一時的に製品部的な役割をになってきた我々「デベロッパー&プラットフォーム
統括本部」内の「クラウドテクノロジー推進部」改め「クラウドプラットフォーム推進部」から
サーバー製品部のアプリケーションプラットフォームチームに、Azureの製品管理業務が
引き継がれる。「??」という方もいるかもしれないが、いわゆるプロダクトマネージャーが
不在のまま、これまでエバンジェリストチームがどうにかAzureの製品管理業務を捌いて
きたのだが、そろそろ限界ということで本業の製品部の方に移管される正しい流れ。
SQL Serverなどを管理するアプリケーションプラットフォームチームはAzureの移管先として
適任というか、当たり前と思う方もいるかもしれないが、PaaSであるAzureの可能性としては
同じく開発者を主たるお客様層にもつVisualStudioを主管する開発ツール担当や、SaaSで
提供しているOnlineServicesチームなどが担当することもあり得るわけだが、オンプレミス
だろうがクラウドだろうが分け隔てなくアプリケーションプラットフォームを提供するという
ビジョンにそった妥当な判断に落ち着いて何より。本社側組織との整合性もバッチリ。
もしかするとこれまで対応が行き届かずご不便お掛けしてきたこともあったかと思われるが、
今後は正規軍の製品担当がきっちり対応してゆくので、SLAに現れない部分でのみなさま
へのサービスレベルも徐々に向上してゆくことになると思われる。
■吉川顕太郎
そして、このチームを率いることになるのが、私が勝手にブライト・ノア大佐と思い込んで
いる吉川顕太郎 @kentaroy55。連邦軍的士官が多い中(失礼)、最前線に飛び込んで
指揮を執るタイプの @kentaroy55はエウーゴの旗艦アーガマ(=WindowsAzure)の艦長に
ふさわしい。彼の着任が決まったときのつぶやきにも、私のうれしさが現れている。
パートナーや本社との切った貼ったの交渉力など現場指揮官としての基本スペックの高さも
さることながら、Azureのまわりにいる社内外の多くの人にとって期待してしまうのが、
彼の直近の仕事だったオープンソースとのうまいつきあい方。
(Computer WorldのWebサイト2009年8月掲載記事より引用
「マイクロソフト担当者に聞いた、オープンソースに対する『本音』」)
Windows Azureは確かに.NETアプリの実行環境としては快適この上ないわけだが、
「Windows」冠がついているとおり、クラウドOS的な汎用性も持ち合わせている。
クラウドで自分のアプリを動かしたい!と思っても、JavaやPythonならともかく、
PHPとなると自分でLAMP環境を準備して管理運営保守し続けなければならないと
思われがちだが、AzureのCGIWebRoleを使えばPHPもバッチリ!という事実は
意外と知られていない。オープンソースに理解のある吉川顕太郎の着任によって、
Azureの懐の深さはさらに広がってゆくと思われる。
■クラウドプラットフォーム推進部
一方、これまでAzureをゲリラ的手法ながら全力で引っ張ってきた我々はどうなるのか?
もちろん、FY11もAzure命!というか、より一層強化した体制で技術啓蒙を中心に活動
してゆくことになっている。どう強化したか?というと、人数が増えたのがひとつと、
周囲からの期待の高まりで扱う領域の幅が広がったことが大きい。
わかりやすいところでいうと、TechFielders方面を中心に活動してる安納、高添の2名が
ITproエバンジェリストとしてチームに加わっている。これまで、Azure=PaaSという枠組みの
中でマイクロソフトのクラウド話は開発者向けのコミュニケーションに偏っていたのだが、
マイクロソフトがITproと呼んでいる、サーバー管理者などのコードを書いたり設計したり
する開発者以外の技術者に、ActiveDirectoryやHyperVなどのサーバー技術の価値を
説いてきた彼らをクラウド担当としてチームに加えたことで、オンプレミス連携や
プライベートクラウドも我々が扱う領域として広げることになった。
あわせて、我々が果たすべきミッションの中で難易度が高いのがマイクロソフト全社視点での
クラウドにおけるThought Leadershipの獲得という項目。まあ、これまでも結果的には現場で
こなしてきたわけであるが、正式にそのお役目が降ってきた。組織名が若干代わったことは
先に述べたとおりだが、名実共に「テクノロジー」だけでなく「(ビジネス価値を含めた)
プラットフォーム」としてクラウドを推進してゆく部隊となったわけである。
■全世界、広範囲にわたるAzure担当採用
人を減らして採用を絞る世知辛いご時世において、Azure担当を全世界で絶賛募集中なう。
リンク先のページでいろいろ見ていただくと確かに採用基準や業務内容は多少厳しいものの
非常にやりがいのあるポストがオープンになっている。東京勤務枠もブログ執筆時点で
まだ3つほど開いているようなので興味のある方は是非チャレンジしてみていただきたい。
すでに採用が決まった方々が近いうちにJOINしてくるのが楽しみで仕方がない今日この頃。
FY10ではゲリラ的対応だけでどうにかしてきたAzureビジネスもFY11からは正規軍。
7月7日に予定されているダカール演説(社員総会でのデモ・プレゼンを私は勝手に
そう呼んでいる)でさらにクラウド派の勢いを加速できるよう、がんばってみようと思う。
いよいよ楽しくなってきたぞっ!と。
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「君に乗せてもらうことにして良かったと思っている。今のままではすぐに落とされる」
「迷う事はないはずだ。君しか今のエゥーゴを率いる者
はいないんだから」
「自分一人の運命さえも決断できない男がか?」
「大衆は常に英雄を求めているのさ」
「自分に、道化を演じろと
いうことか」
「あなたに舞台が回ってきただけさ。シナリオを書き換えた訳じゃない」
「アムロ……」
「人は変わっていくものだ
ろ?」