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セールスフォースのVMforceがVMRole対抗でなくて一安心。Azure担当者の安心↑↑↑、歓迎↑、懐疑↓な心境

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数週間ほど前から、セールスフォースがVMWareと連んで何かやるらしいという話が
VMforceというサービス名と共に出回っていたが、日本時間で昨晩、その発表が行われた。

憶測に基づく一部のコメントで、Azure対抗?みたいな話になっているところもあるが、
正直なところ、安心↑↑↑、歓迎↑、懐疑↓な印象をもっている。

 ※お約束のお断り:ブログでの発言は私個人の考えに基づくものであり
  マイクロソフトの正式な見解またはコメントではありません。念のため。

競合?かもしれないサービスがでてきて何故安心といえるのか?はったりの強がりではない。
VMWareまで持ち出して、もっと攻めてくるかもしれない…という、当初の予想に比べると、
Azureで思い描く割と普通なPaaSサービス内容だったことがひとつ、さらに、Java領域に
限った話でGoogleAppEngineにとっては多少脅威かもしれないが、.NETを主な対象とする
Azureにとっては被害が少なそうであること、加えて最後に提供開始時期が結構遅めで
今年中に開発者向け評価版を出し、価格もまだ発表できる段階にないこともあって、
創業以来終始好戦的な戦闘民族セールスフォースにしては、拍子抜けなほどありがちな
発表で、おかげで昨晩もぐっすり眠ることができた。

歓迎しているのは、PaaSの言い出しっぺであり、自ら独自の拡張言語であるAPEXを
ベースとしたForce.comをサービスとして展開しながら、同じPaaSの領域に別のものを
展開しようとしている点である。マイクロソフトほどに組織が肥大化していれば、各事業の
独自の局面でたまたま必要としていた製品やサービスが似通ったものになってしまう
こともあるが、セールスフォースの規模で同じレイヤーに既存のサービスの進化ではなく
新しいものを持ち込んだのは何故か?と考えてみると、先行しているForce.comで将来性に
何らかの不安を抱えているか、あるいは、PaaSという概念の多様性をみとめたからの
どちらかで、おそらくは後者であろうと思われる。

もちろん彼らの内部事情はわからないが、Force.comはSalesforceCRMの拡張アプリ的な
Webアプリをお気楽極楽に作れる環境として残すのが妥当ではなかろうか?前にもこの
ブログで書いたとおり
、AzureにもVisualForceが欲しかったりもするくらい、限られた
特定の領域における開発生産性は高そうな印象を持っている。

それに加えて今回JavaのSpringフレームワークに対応した開発・実行環境を発表したのは
Force.comだけでは対応しきれないユーザー要件が多数あったためだろうと推察できる。

そう、クラウドアプリの実行環境には柔軟性が必要なのである。

AzureもGAEもEC2以外のサービスを加えたAWSも、これまでのForce.comに比べれば
遙かに高い柔軟性を有しており、クラウドで先行している分だけ市場の声を多く聞いている
はずのセールスフォースが今回VMforceを発表したことは、この柔軟性の高いPaaS領域に
対するユーザーやパートナー企業の期待、市場としての将来性が高いものであることを
示す一助になるのではなかろうか。

Azureを擁するPaaS屋としては、市場が広がることは大歓迎である。

今回の発表で懐疑的に思っている点はいくつかあるのだが、その代表格がクラウドとしての
スケーラビリティや可用性をどう担保してゆくのか、という論点対する言及が一切なかった
点である。新野氏はPublickeyで

「一方で、VMforceはJavaアプリケーションのスケーラビリティやアベイラビリティを
 どうやって確保するのか、など説明されていない部分もありました。これらについては
 今後説明されていくものと思われます。」

と言及しているが、私はそう思っていない。今後も説明されることは内のではないか、と。
SaaS(というかASP)を起源とし、終始ユーザー目線で見たときのクラウドの気軽さしか
提唱してこなかった当社の文化からすれば、プラットフォーム技術の優位性を意気揚々と
語る必要はないのである。実際、現状の技術基盤もすでに世の中で使い古されてきた、
いわゆる枯れた技術の集大成であり、その上のアプリケーション・サービスや、ビジネス
展開上のメッセージやポジショニング、ビジョン、勢いにフォーカスがあたっているのが
現状ではなかろうか。

クラウドで技術開発競争をするつもりはおそらくないのだろう。でなければコアとなる
基盤技術に他社製品を使うのは愚策である。そう考えると、ニーズが高まってきた
柔軟性の高いPaaS領域の基盤を構築する上で、枯れた(市場に浸透した)技術である
VMWareを採用したのもうなずける。となると、VMWare社が自社で言及している程度以上の
「Javaアプリケーションのスケーラビリティやアベイラビリティをどうやって確保するのか」
という点に対する回答を期待するのは難しいといえるだろう。

VMforceの発表に内心ビクビクしながら、今日になって安心して語れるのは上記彼らの
発表内容自体だけでなく、こちらの事情にも起因している。

そう、我々にはVMRole(仮称)がある!

まだその詳細を語るには早すぎるが、WebRole、WorkerRoleに続く3番目のAzureVMとして
展開が予定されているのがVMRoleである。
似たような名称故、混同される方も今後出てくるかもしれないが、VMforceとは全くの別物だ。

あー、早くいいたい。しゃべりたい!言わせて!本社のエラい人!!

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