TechDays裏話。AzureSDKの開発ストレージが動かないときの対処法
さらっとやって見せているようで、実は裏側は大変だった、というのはよくある話。
TechDaysのキーノートも例外ではない。まだ見ていないという方は、オンデマンド
配信中なので時間を見つけて是非ご覧いただきたい。先日あがってきた満足度
調査の速報値をみても、多くの方に好意的に受け入れていただけたようで、
正直ほっとしている。
が…、準備している現場は思い出すのも躊躇してしまうほどに過酷なものだった。
追い詰められた状態では、普段ならなんのことなく解決できる問題でも、
思いの外はまってぬけられないこともある。
ここでは、23日朝のキーノート本番を翌々日に控えた21日夜の状況を振り返りつつ
みなさんがデモ機のセットアップではまっても慌てずに対処できるよう、
当たり前のことではあるが、留意点を書き記しておきたい。
21日夜、計画性のない我々は未完の準備作業で追い詰められ初台オフィスに
ほぼ勢揃い。各自セッションの準備などにいそしんでいるのだが、フライト前の
Steve Marxとメール/メッセンジャーで会話していたときのこと…(以下超訳)
shin135: 「そういえばデモ機は何台持ってくる?」
smarx: 「俺っちのマシンでやろうと思ってるけど。もちろん1台。何か問題でも?」
shin135: 「ってか、そのマシンをキーノート会場に設置したら使えなくなるけどいい?」
smarx: 「マジで?そりゃ困るよ。メールもtwitterもセッションの準備もできないじゃん」
shin135: 「だよねえ。だ・か・ら、デモ機は何台もってくるんだい?」
smarx: 「そんなこと言われたって俺っちもう空港だし、そっちでどうにかしてくんない?」
shin135: 「…※△&■#…」(ぐっとこらえて)
shin135: 「じゃあさ、VS2010RCとAzureSDKが動くWin7の英語環境まで用意するよ」
smarx: 「Perfect! あとはついてからどうにかするねー」
というわけで、この時点でデモ機を新たにレンタルするわけにもいかず、
手持ちの機材で急遽キーノート用の環境を用意せざるを得なくなったのである。
幸いにして、VS2010RCとAzureSDKがセットアップされているPCは手元に何台か…
ということで @shin135 のDELL E6400と @hkazunori のThinkpad T61を緊急接収。
キーノートは万全を期して例外なく200%バックアップで狭い卓上に機材を用意している。
Azureのデモで普段使っているマシンなのでおおむね環境はできているし楽勝♪
と思いきや、VS2010 Beta2が入っていたり、AzureSDKが最新の2月更新版で
なかったりと逆に面倒なことに気づき落胆。
どちらも日常業務でサブマシンとして使っているPCでもあるので、OSレベルで
demoユーザーを作成して、環境設定をしてゆくことにしたのだが、なぜか…
AzureSDKの開発ストレージがうまく動かない!
特殊なことはしておらず、AzureSDK環境など立場上何十回と繰り返してきた
ルーチン作業。ツールもリリース前の途中ビルドなど不安定なものでもなく、
動かない理由がわからない。時間もない。頭が真っ白になる…。
何が起こったか、状況を整理しておこう。
- 普段使いアカウントからdemoユーザーに切り替え
- VisualStudio2010RCとAzureSDKは共にインストール成功
- Azure用のテンプレートを開いてF5で動作確認
- 開発ファブリックは問題なく起動するが…
- 開発ストレージが起動できないというエラーが発生
- あろうことか2台とも同じ状況
このような状況に遭遇した方はいらっしゃるだろうか?
結論を先にいってしまうと、これは開発ストレージが使用している
SQL Server(多くの場合はVisualStudioと一緒に入るExpress)の権限が
適切に設定されていないことによる問題である。
と、わかってしまえば何のことはない。SQL Server Management Studio
(通称:SSMS:えすえすえむえす)からWindows認証でローカルのDBに
アクセスして、セキュリティ>ログインと開いてゆくと、新たに作成した
demoユーザーが登録されていない状態になっているので、右クリックで追加。
さらに、追加したdemoユーザーをダブルクリックで開いてサーバーロールなどを
適切に割り当てる。SQL Azureを使うこともあるであろうし、SSMSは
Azure開発環境に入れておいた方がなにかと心強い。
この作業ができていないと、追加されたdemoユーザーがSQL Serverの
データベースにアクセスできず、結果Azureの開発ストレージが使えない状況になる。
結果、この問題を解決し、キーノートではSteve Marxが無事デモを行うことができた。
何事もなく過ぎ去ったたった5分間のデモではあるが、裏側にはそれなりな苦労が
あったのか!ということをかみしめつつ、TechDaysキーノートのオンデマンド配信を
改めてご覧いただきたい。