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SlatePCで改めて思うデバイスを作る自由と選ぶ自由。Windows7をイチバンうまく使って欲しい

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昨日のCES(Consumer Electronics Show@ラスベガス)キーノートを
ライブで見ていた方もおられると思うが、スティーブ・バルマーが
HP社他の「SlatePC」(すれーとぴーしー)なるものを紹介していた。

まだキーノートをや各種報道を見ていないという方は、こちらのサイトか、
埋め込んである動画で「SlatePC」なるものを一度ご覧いただきたい。


個人的に、すごく欲しい。
文字通り(Slate=石版)のような一枚板の形状でキーボードが存在しない。
「SlatePC」を語る場面では「タブレットPC」という言葉は使わず、
別物として世に広めたい意図がキーノートの表現から垣間見れる。
(私もマイクロソフトの中の人ではあるがクライアントOS担当ではないので
 情報レベルはみなさまとそれほど変わらないのであしからず)

すでに報道されているとおり、Appleが大きなiPhoneみたいな
「iSlate」の発表をじらしているが、その対抗となりうる端末だ。
HPのSlatePCは年内発売予定という発表を行っていたが、
ネットブックに続く新たなPCのジャンルとしてSlatePCに注目が
集まることは間違いないだろう。

さて、このSlatePCが発表される前からマイクロソフトがタブレットPCを
出すかもしれないという噂が先行していて、PDC09の少し前の昨年
11月頃ちょっとした騒ぎになった。コードネーム Courier である
PDC会場でもしかしたらお目見え?と期待していた記憶がある。

Courierのリーク情報にあるユーザーインタフェースをみていると、
どうもWindows7というより、大きなZuneHDではないか?とも思ったが、
今回発表したSlatePCはWindows7搭載端末であることを明言している。

iSlateがiPhoneOSの発展版になるかどうかはわからないが、
SlatePCをマイクロソフト謹製の独自OSデバイスとしなかったのは
正しい判断だったと思われる。

利用者目線で見れば、今までのWindowsアプリがそのまま使える
というメリットが大きいが、デバイスを作る/売る側からみるとどうか?

タッチパネル式のディスプレイを備えた石版風のPCを組んで、
Windows7をいれればSlatePCみたいな端末のできあがり。
独自性の持たせ方も、ハードウェアの軽さ薄さで差別化するだけでなく、
デバイスの特長を活かすWindowsアプリを調達してきてプレインストール
にすればよい。せっかくなのでOS標準搭載のマルチタッチを活用して
ユーザーインタフェースに凝ったり、アプリからのデバイスの制御を
行いやすくするセンサーAPIを活用して重力、方位コンパス、光量など
多彩なセンサー群を搭載するのもよいだろう。

PCの目線から見ると「そんなの当たり前」なのだが、iSlateとの
違いはここにある。Appleは昔から垂直統合モデルを頑なに貫いており、
今のところデバイスメーカーが勝手にiPhoneもどきを作ったり
カスタマイズする自由はない。世の中が喜んでAppleの姿勢を
歓迎しているのか、やむなく受け入れているのかは意見が分かれる
ところだろうが、Windows7やChromeOSを前提とした端末の
勝機の1つは「独自のデバイスを作れる自由」にあるだろう。

CESのキーノートではHP(米)、アコース(仏)、ベガトロン(台湾)の
SlatePCが紹介されたが、日本のメーカー各位にも既存のPCの枠に
とらわれないステキなデバイスを作って頂きたいものだ。
CES展示会場の様子はコチラ。何らか参考になるのではなかろうか。

例えば、昨日ご紹介したGladinetみたいなアプリを組み込んで、
クラウド連携ReadyなSlatePCなんて、いかがだろうか?
WifiやWiMAXつけたとしても常時接続は前提は厳しいので、
ネットワーク接続時にバックアップや同期を行うあたりが
当面の落としどころになるだろう。

あるいは日本のパートナーさんの方が開発したソフトウェア
キーボードアプリ 「Touch::Extender」
なんかもSlatePCに
おあつらえ向きでオススメの逸品。
(Windows7の開発コンテストCode7応募作品)

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