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【Win7祭】噂の窓辺ななみは何者か?マイクロソフトは2次元に寛容になったのか。それとも…

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深夜のアキバにはじまり、Windows7の盛り上がりは正直なところ予想以上だった。

一般的に、競争力は商品力とチャネル力で因数分解して考えることができるが、今回は社内での前評判や、
そこに至るまでの並々ならぬ努力の蓄積などを含め、Windows7は高い商品力を獲得することができたわけだが、
その結果、他のオトナの事情も絡んでチャネル力の側、もっと絞るとプロモーション費用にそれほど大きな
金額を掛けなくても売れるはずだろう?といった趣旨の議論もあり、カネにまかせた派手なプロモーション
キャンペーンはあまり広く展開できなかったという話を聞いていたためである。久々の超大型ソフトウェア
製品のローンチをあてにしていた広告業界の方々は少々アテがはずれてしまったかもしれない。

その分、話題作りに知恵を絞ろうという方向に関係者の努力が向いたのである。

例えば、Windows7ワッパー。バーガーキングさんとのコラボで、各店限定30食でビーフパティを7枚
はさんだ超巨大スペシャルメニューが販売されている。AKIBA PC Watchに56分かけて格闘する姿が
描かれているが、「ヤバイ感じにデカイ。久々危険を感じる、一人で食べるのは厳しいか???」という
twitter上での発言が象徴するように、「ありえない感」からの話題作りに成功?している。

そして、今回一番の飛び道具が窓辺ななみちゃん。誰だ?という方もいるかもしれないが、
twitterの自己紹介欄を引用すると、

「えと、僭越ながら、パソコン自作応援キャラクター?になりました……>< どう応援できるか、
まだ全然わかりませんが、パソコンを自作するみなさんのお役に立てるよう、精一杯がんばりますっ!」

ということで、コンシューマー向けPC市場の一角を占める自作系PCの拡販のために活躍してくれている。
架空か、実在か、中の人か、外注か、その実態を明かすことは残念ながらできないが
(というより詳しく知らないが)その狙い所を考えてみたい。

まず、立地の観点。自作応援キャラということで、活躍の場は自然と秋葉原一帯になる。通販が主体と
なった現在においても、PCショップが秋葉原に立地していることは、情報収集やある種のブランディング、
そして今回のようなPC関連の「祭り」に参加するためには有利であり、多くのPCショップが存在している。

しかし、5-10年前と比較して秋葉原の勢力図は大きく変わにり、PCショップよりホビー系、萌え系の比率が
高くなってきているのが実態であり、秋葉原での活躍を期待するキャラとなると、2次元萌えの要素を
入れ込んでゆくのは合理的な発想だ。「7=なな」に掛けてとう大義名分でCVに水樹奈々を起用しているあたりもあざとい。
また、おおかたの仮説のとおり、PCショップとホビー系ショップに通うペルソナが実態レベルで一体化している
割合は高いと思われ、両方を別人格で楽しんでいる人にとって秋葉原というのは便利なロケーションなのである。
結果、PCショップとホビー系ショップを巻き込んだ秋葉原全域での話題作りには、萌え系の自作応援キャラ
窓辺ななみの投入は必然だったともいえる。

そして、窓辺ななみ×twitterの組み合わせも絶妙だ。キャラ設定を作り込んだ上でtwitterでつぶやくことで、
キャラのリアル感、ライブ感を醸成しつつ、短期間で2400人以上のフォロワーを獲得するに至っている。
要所要所で「ななみクイズ」と称し、twitter上で参加型の会話イベントを発生させ、フォロワーの
トラクションを高めつつ、Windows7の新機能を自然な形でアピールしているのである。
オフィシャルtwitterアカウントを…という企業も増えてきているが、ここまで積極的に展開している例は
あまりないかもしれない。萌えとは違うが癒し系のウェンディも最近はtwitterで沈黙を続けている。

この窓辺ななみちゃんの活躍により、「マイクロソフトは最近2次元に寛容になった」といった声を聞く
機会が何度かあったが、確かにそうかもしれない。日経コンピューターの「マイクロソフトの反省」特集で
社長の樋口がお客様目線の考え方が不足していたとコメントしているが、まさにその通りで、今回のように
自作PC系のお客様が萌えキャラに好印象ということであれば、適した展開をしてゆくことになろう。
もはや一辺倒のプロダクトアウト的発想が通用する時代ではない。

Azureの場合はどうだろうか?2次元?今後開発者やユーザー企業、パートナー企業の目線で考えてゆきたい。

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昨晩、他に活躍していたキャラ系の大御所としてはウルトラセブンが報道でもよくでてくるが、
ドスパラにはアムロ・レイ、いや、古谷徹氏がきてカウントダウンイベントを開催していた。
私からすると7といえば、ウルトラセブンよりエウレカセブンだし、アムロというより
MS-07Bグフ、MSM-07ズゴック、RX-78-7ガンダム7号機といった方面にふってほしかったのだが…。

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