クラウド戦役をZガンダム視点でわかりやすく解説するブログ+時々書評。

SQL Azureと対応するPHPドライバがCTPで今日から利用可能に

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昨日Windows Azure Platform Training Kitを紹介した時点ではまだ公開されていなかったのだが、
SQL Azureと対応するPHPドライバが、日本時間で昨晩0:00をもって無事一般公開となったので
ここにお知らせしたい。

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せっかちな方のために、CTP版(開発コミュニティ向け先行提供プレビュー版)を
利用するためには、コチラのサイトの左中程にある Register for the CTP. という
リンクからMicrosoft Connectに進んで必要事項をご登録いただきたい。
もちろん、11月の商用サービス開始までは無償で利用できる。

その際、Live IDが必要になるが、Azure関連の開発ポータルを操作する際には必須なので、
まだお持ちでない方は取得しておくとよいだろう。live.jpで新規にメールアカウントを
取得してもよいし、会社のアドレスなど既存のメールアドレスを利用していただいてもかまわない。

さて、今日から利用可能になったのは2点。
SQL Azure DatabaseとSQL Server Driver for PHPである。SQL Azure Databaseは
何度かご紹介しているとおり、クラウド上で使えるRDBMSで、SQL Serverとほぼ同等の
インタフェースを持つ。すなわち、BigTableやAzureStorageのTableのようないわゆる
KeyValueストアへのデータアクセスとはならないため、既存アプリのクラウド化、
SaaS化がよりいっそう簡単になるという利点がある。

ただ、現時点においては制約事項もあり、正直なところクラウド時代のストレージの切り札!
といえるほどの完成度ではない。具体的には、クラウドという言葉から想起するキーワードでいうと、
大規模DB利用時のスケーラビリティに改善すべき課題があり、今後継続的なリリースの中で
解消してゆくことになる。

したがって、11月からの商用利用開始段階では、スケーラビリティを求めるというより、
可用性や自動管理にメリットを見いだしていただいた方が満足度は高いだろう。

もっと具体的に言うと、連続領域として使う必要のあるデータベース(テーブルや
インデックス)が10GBを超えてしまうような場合には、オンプレミスのSQL Serverを
当面組み合わせて利用するか、Azure Storageを利用するようにアプリを書き換える方が
今のところ合理的だ。月額$99.99の上位版Business Editionでも、1DBあたりの最大容量は
10GBに制限されている。10GBのDBをたくさん作って並べれば、もちろん大容量化は
実現できるのだが、アプリ側で分散処理を実装する必要がある。

10GBの上限では足りなくて困る!というご意見もわからなくはないが、ほとんどの
ビジネスアプリケーションにおいて、10GBの上限で足りないという場合には、
アプリの設計、具体的にはドメイン分割に失敗しているケースがほとんどだ。
SQL Azureチームが実施した広範な調査でも、クラウドにおいて使うようなDBはそのほとんどが
5~10GBでおさまるサイズであるという結果から、サービスメニュー化を行っている。

昔RAC!RAC!と言っていたオラクル時代を振り返っても、アプリ屋がミドルウェアに
頼りすぎな感は否めないのではんかろうか。丁寧にテナント、時系列、その他分割を適切に行えば、
RDBMSでマスタ管理すべきような10GBを超える巨大エンティティというのは本来少ないはずだ。

SQL Azure的には、どちらかというと月額$9.99で利用できる上限1GBのWeb Editionを
複数並べることで容量やトランザクション量の増加に対応する方向性を推奨している。

それならAmazonにOracle置いてRAC組めばよいのではないか?と気安く言ってくれる方も
中にはいらっしゃるが、いざその環境を組もうとなると、それなりなコストと高度なスキルを
持ったDBAが必要だ。オラクルマスタープラチナが余っている企業ならよいだろうが、
オンプレミスと比較してただでさえ状況がつかみにくいクラウド上でピーキーなOracleを
最適な状態で管理するのは骨が折れるだろう。せっかく慣れたOracleを使うというなら
不確実性の少ないオンプレミスで使った方が合理的ではなかろうか。
お手軽かつ安全にRDBMSを利用したいという企業には自動管理のSQL Azureの方がお勧めだ。

具体的な利用方法やSQL Azureの紹介資料は、昨日ご紹介したトレーニングキットの中に
含まれているので、ダウンロードの上ご参照いただきたい。

また、SQL Azureと並んで同日公開されたのがSQL Server Driver for PHPである。

- SQL Azure対応
- PHP version 5.3に対応UTF-8もOK
- Scrollable ResultsとRow Countに対応

すなわち、これがあれば、Windows AzureにデプロイしたPHPアプリからこのドライバを
経由してSQL Azureを呼び出し、SQL Server対応していたものをそのままクラウドに
持ち込むことができるのである。PHPアプリの安全、手軽なホスト先を探していた方々に
とっては現実的な選択肢となりうるのではなかろうか。
ダウンロードはコチラから。

今年3月に発表した大幅な設計変更以降、お騒がせしてきたマイクロソフトのクラウドにおける
RDBMS展開戦略ではあるが、11月の商用サービス開始に向け煮詰めるプロセスが順調に
進みつつある。その一方で、Huronと呼ばれてきたSyncの仕組みや、Velocityと呼ばれてきた
キャッシュの仕組みなどの準備も進んでおり、PDCのテクニカルセッションでその一部を
紹介できることになろう。

PDCの早期申し込み割引は9月15日まで。この経済情勢下、社内稟議の壁を突破するのは
大変かもしれないが、Azureのローンチと、それに続く最新技術の紹介が数多く行われる
PDC@ロサンゼルスには、日本からもできるだけ多くの方にご参加いただきたいものである。
日本から参加される方向けにパッケージツアーも用意できるはずなので、検討したいという方は
ご連絡いただきたい(shisago@microsoft.com:@を半角)詳細整い次第ご案内させていただく。

と、みなさんに紹介しておきながら、はたして私はPDCに行けるのだろうか…。

Comment(1)

コメント

UTF-8 は当然として、
世の中の RDBMS を利用したビジネスソフトの
ロジックの大半はプロシージャで記述されている
ことを考えると、 T-SQL のサポートが一番影響力大のように思えてきました。
”easy migration of existing Line of Business (LOB) ”

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