すごいのは「ぼかりす」だけじゃない(その1):サビ抽出プレーヤー
既にキャラ化されるほどの人気である「ぼかりす」のシステムに関わっているのではと推測されている、産業技術総合研究所の後藤真孝氏(筑波大学大学院 システム情報工学研究科 知能機能システム専攻 准教授)の業績を調べていくと、VocaListener(ぼかりす?)以外にも興味深い研究成果が上がっていることに気づきました。
そのうちのいくつかは、すぐにでも製品化・サービス化してほしいレベルのもの。
たとえば、2003年に論文発表された「音楽を理解するコンピュータの実現に向けて ~ リアルタイム音楽情景記述システムの構築 ~」(PDFへのリンク">)では、「4種類の音楽的要素の記述(メロディー、ベース、繰り返し区間、サビ区間)を得る音楽情景記述システム」で、楽曲の「情景」をリアルタイムに分析し、取得することを目的としています。
その結果を人間の耳コピーと比較すると、メロディーについては88.4%、ベースについては79.9%の正答率という、まずまずのレベルまで到達。
これをもとに、Aメロ、Bメロなどの繰り返し区間を判定し、それをもとにサビ(コーラス)の部分を特定することに成功。それをタブレットPC上に実装した、「SmartMusicKIOSK」なるものが成果物として挙げられています。
動画での解説が掲載されているので、そ機能がわかります。イントロやAメロを飛ばしていきなり「サビ」に行けるのです。
この技術が実装されれば、多数のミクオリジナル曲のサビだけを抜き出すプレーヤーができるかもしれません。サビの部分だけを演奏してくれる、忙しい人のためのiPod、「SABiPod」とかが出たりして(笑)
その派生物ではありますが、メロディーとベースの採譜機能はぜひともほしいですね。コードだけならBand-in-a-Boxでも取得してくれるので、それと組み合わせれば耳コピの高速処理が可能になります。わたしなんかは耳コピが不得手なんで、非常にお役立ちツールになるでしょう。
もう1つのもグレートな技術なので、別エントリーで紹介しますね。
追記:スラッシュドットジャパンで、この議論がすでにされているのでリンクしておきます。
・曲のサビを検出するアルゴリズム