初音ミク英語講座:その1
初音ミクに英語の歌をうたわせる……。これはたぶん永遠の課題だと思います。SWEET ANNを購入して使っている作品もニコ動にいくつか(なかには昔の同僚のものも……)ありますが、なかなかオバサン声で、いまひとつ買う気がおきません。SWEET ANNを神制御した作品が出てくれば違うんでしょうけど。所有者の活躍に期待します。
というわけで、現状の初音ミクでなんとかする試み、前回の「ジングルベル」に続いて今週もやってみました。きょうの午後を使って、「きよしこのよる」を英語で歌わせてみました。
音源は前回と同じく、大学の先輩であるROY氏によるピアノ、オルガン、ドラム演奏。非常にゴスペル色の強い演奏です。クリプトン・フューチャー・メディアのCGMサービス、ピアプロ(PIAPRO)に投稿してあるので、よろしかったらお聴きください。MP3ダウンロードも、再利用も可能です。
今回いくつか試してみたことがあるので、それも含めて、英語を歌わせるにあたっての、工夫するポイントを書いておきます。自分用メモとして。
・二重母音
まず、二重母音のときに、二番目の母音をどのポイントで持ってくるか、ですが、これはいろいろと試行錯誤するしかありません。最適のポイントを選びましょう。音符どおりだと、確実にダメです。
・子音で終わる、始まる
次に、子音で終わる場合の処理です。
初音ミクは基本的に日本語しかしゃべれないので、子音だけというのは、[n]くらいしかありません。では、[t]とか[z]で終わる単語はどのように処理するのか?
子音の比率を高めるパラメータとして、VEL(Velocity)というのものがあります。これはCrossOver Macでも表示させることができるもので、これを最大値まで上げると、子音が強くなり、相対的に母音は弱まります。そして、その音符のプロパティ画面を表示して、ディケイを最大値の100%に、アタックを10程度にします。
そして、長さは最短にしておく。
これで、母音はだいぶ目立たなくなったはずです。あとは、DYN(Dynamics)や、DAW側の音量コントロールで母音の部分の音量を引き下げると完璧です。
もう1つのtipsを、元同僚な人からコメントでいただきました。発音記号入力([alt]+↓で入力可能になる)で、母音なしの[s]が入力できる(知らなかった!)ので、それを使えばsやzが聴こえてくるようになります。zは微妙な感じですが,sは確実にこれでいけます。ありがとう>元同僚。彼はニコ動で英語ミクを量産しています……。
子音で始まる場合も同じです。
・どこにタイミングを合わせるか
これは歌い方にもよりますが、子音+子音+母音で始まる場合、たとえば[stand]とか、そんなときは、[ta]をグリッドの部分に合わせるとよいことがあります。それで原曲と合わない場合には左右にゆらしてみるといいでしょう。
・ない発音記号をどうするか
たとえば、[l]の音。これは、[u]で代用する方法があります。ただ、[sleep]などの場合には[sweep]と聴こえてしまうので、そんなときには、[d]を試してはいかがでしょうか。
この場合は[su][di][pu]になります。[su]と[pu]は」前述の子音オンリー化手法を使い、[di]のところは、VELを0まで下げ、[d]ができるだけ発音されないようにします。これで、[ri]を使わずにすみます。RとLの発音には気をつけましょう。
「鏡音リン・レン」の名前からRとLについて考察する - 安藤怜のロンドン塔
と、ここまで書いたら、ミクの萌え発音はrじゃなくてlだという指摘が安藤さんから。
ということで振り出しに(笑)
時間がきてしまったので、今回はとりあえずここまで。
追記1:通りすがりさんからのご指摘で、子音と母音を取り違えていた部分を修正いたしました。
追記2:ニコニコ動画にムービーをアップしました。後半で歌い方を若干フェイクしています。
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